しばらく前のこと。
鰻関連のネットサーフィンをしていると、神奈川県藤沢市・辻堂駅ちかくに

ご注文をいただいてから活鰻を割いて、炭火で焼き上げます。お時間が掛かりますので、予めお電話でご予約ください。

とブログに記載してある鰻専門店『うなぎ荒井』さんをみつけた。
近くに行く機会があればお邪魔したいと思っていた。

この日は、早起きをして、寒川神社へ参詣した。
昼食は『うなぎ荒井』でとろうという計画である。

参拝を終えて、最寄りの宮山駅に着くと時間は11時。
うなぎ好きはの我々は、割き立ての鰻をいただけるならば、待つことを厭わないが、昼時に1時間以上も席を占めてしまうのは心苦しいとの思いからお店へ電話を入れる。しかし、頼む品が決まっていなかったので、席だけをお願いして、お店で待たせていただくことになった。

辻堂駅南口を出て、左へ進み静岡銀行・辻堂支店の角を右へ曲がり、昭和通りを湘南新道方面へ歩くと宅配ピザ店の隣に『うなぎ荒井』さんを発見。

お店へ入ると、とても感じの良いご夫婦が出迎えてくれた。
角のテーブル席に「予約席」のプレートを置いてくださっていたので、その席へ腰を下ろす。

テーブル席が18席と右手に上がり座敷が8席。

メニューを拝見して、注文を決める。

〈うな重・特上〉に「志ら焼特製のタレを使用したお薦めの一品」に惹かれて〈志ら焼丼〉をお願いする。
そして、1時間ほど待つので〈うざく〉と〈ひれ巻き〉が1串だけあるというのでお願して、ビールを飲みながらゆっくりと待たせていただく。

これから割くので、活鰻を見せていただく。
貼ってある産地証明書によれば、三河一色産の活鰻のようである。

〈うざく〉が到着。
500円(税別)なので量は少な目であるが、鰻を待つ間のアテとしては丁度良い。
円やかな和え酢が印象的な美味しい〈うざく〉である。
刻んだ蒲焼も美味しく、この後に期待が持てる味だ。

そうこうするうちに団扇をあおぐ音がしてきて、白入れが始まったようだ。
厨房から炭火で焼かれた良い香りが微かに漂ってくる。
鰻を焼く匂いといえば、タレで本焼きを思い浮かべる方が多いと思うが、白焼きする鰻の脂の香ばしさも格別なのである。

これは、たまらないというタイミングで〈ひれ巻き〉が到着。
キリッとした辛口のタレを纏った〈ひれ巻き〉が美味いっ!
思わず、ビールを追加してしまう。

真打は〈志ら丼〉から

〈志ら丼〉というネーミングにこのビジュアルはあの老舗店を思わせる。
そして、ひと口して、それは確信に変わる。

そう。『野田岩』の味である。

『うなぎ荒井』2代目の荒井裕一郎(42)さんにお話を伺うと、やはり鰻界のレジェンドのひとりである野田岩5代目の金本兼次郎さんの下で10年以上修業され、下北沢などの支店の店長もされたということであった。

〈うな重・特上〉も続いて、登場。


お重の蓋を開けると美しいうな様にお目見えする。

醤油と味醂だけのキリッとしたタレにふわっとした口当たりで口の中でとろける食感。
江戸前の王道である。そこに何かホッとする味わいがあるのは2代目の人柄なのだろうか。

割き立ての鰻は、やはり美味いっ!
待つ甲斐のある鰻に大鰻足である。

効率重視の世の中で、スローフードを味わう贅沢なひと時は、荒井さんのようなこだわりの職人さんがいてこそ持てる。
間も無く初代のお父様から晴れて店を引き継ぐ2代目ご夫妻に心からエールを送りたい。