東京のうなぎ好きの友人から
「大阪へ行くなら ちょー老舗の『阿み彦』さんも外せないですよ♪」
とLINEが入っていた。

『阿み彦』の歴史を調べると

今をさかのぼること380年近く前の寛永年間に大阪・綱島にて初代が川魚商を始めたのがその始まりということだ。
その後、北浜にて3代目が屋形船で鰻屋を始めて、現在の11代目に至るということだ。

『阿み彦』の創業は、昨年(2016年)のNHK大河ドラマ『真田丸』で描かれた大阪夏の陣の戦乱が収まって、僅か20年足らずである。
そう考えると、友人の“チョー老舗”という言葉が納得できる。

淀屋橋からかつて阿み彦の屋形船が通ったであろう川の景色を楽しみながら北浜へ向かうのも風情があるが、この日はあいにくの雨。
淀屋橋から京阪地下道を通って、平和不動産北浜ビルを目指す。
地下道直結のビル入口広告に『阿み彦』の文字。わかりやすい。

ビル内に入ると、和の空間が出現する。

店頭のメニューをチェック。
ランチタイムは、千円台のサービスメニューもある。
しかし、せっかく大阪へやって来たのだから老舗の〈うなぎ丼〉をいただくことに決めた。

店内へ入るとすぐに右手に帳場。
その先、左手が厨房。右側が個室などの客席になっているようだ。

1名の訪問だったので、突き当りのカウンター席へ案内される。

カウンター席とはいっても老舗の設えは趣がある。

格子の向こうに飾られたものが気になり
お茶をもってきてくださった女将に尋ねると
手前は明治時代、奥は弘化年間(1844年~1847年)江戸時代の営業許可証だという。

お願いした〈うなぎ丼・松〉が登場。
吸物は〈赤だし〉を頼んだ。

あまり焦目がなく、それでいてジューシーさが伝わってくる綺麗な地焼き蒲焼。

皮目もあまり焦げがない綺麗な焼き。
口にすれば、皮はパリッとしていて、鰻の旨みが広がる。
丁寧に、丁寧に焼き、鰻の旨みを引き出す上方鰻老舗の作法なのだろうか。

別添えの〈温泉玉子〉は、行儀は悪いかもしれないが、うなダレご飯にのせて〈うなダレ温玉ご飯〉にする。
老舗の深みのあるタレに温泉玉子のコラボは、極上の逸品である。

私は、今まで鰻に関しては、歌舞伎とは逆に「江戸の和事」「上方の荒事」のイメージがあったのだが、『阿み彦』さんの鰻は、私の概念を良い意味で覆す上方鰻を奥深さを教えてくれた。

美味しい鰻を振舞ってくれた『阿み彦』さんと勧めてくれた友人に心から感謝して、この項を閉じたい。

 

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