顔の見える養鰻家

鹿児島大隅・泰正養鰻は、14年間完全無投薬の【泰正オーガニック鰻】を厳選して昨年から鰻専門店などへ出荷を始めたことは当サイトですでにご紹介した。
うなぎ好きの間ではよく知られたブランド鰻もいくつかあり、無投薬を謳う養鰻場もある。
それらは間違いなく美味しい鰻を提供している。また、鰻資源の減少からノンブランドでも質の良い鰻を育てる養鰻場も出てきている。

その中で私が【泰正オーガニック鰻】を推奨する理由は、生産者の顔が見えるからである。
近年、野菜や果実の農家、畜産家は生産者名や生産過程を公表しているところが多くなってきている。
しかし、鰻の場合は国産の場合は宮崎県産、静岡県産など都道府県ごとが多く、消費者が生産者の名前までわかるのはごく一部である。

泰正養鰻は、横山桂一さん自身がSNSを使って自ら生産過程などを公開していることろが画期的だ。
私は、いくつかの養鰻場を見学させていただいて、養鰻家のご苦労を一般の方よりも知っている。
だからこそ、泰正養鰻のように顔の見える養鰻家が出てきてほしいとの願いを持っている。

信頼関係のある取引

今年に入り、泰正養鰻の横山さ桂一さんのもとには取引の依頼が数多く寄せられているという。
しかし、家族経営の小さな養鰻場ということもあり出荷数も限られいるので、顔が見え、信頼関係を築けたところだけの取引になるそうだ。

そのひとつに今回の出荷からさいたま市桜区・西浦和駅前『うなぎ処 古賀』が加わった。

入荷数も限られているそうなので、予約を入れて伺った。

入口に「泰正養鰻オーガニック鰻」のメニューが貼ってある。

『うなぎ処 古賀』の〈うな重〉よりも価格は高め。
古賀さんは、お客様に受け入れられるか、悩んだそうだ。
しかし、適正な値段をいただいて、その分持てる技術と真心をこめて召し上がっていただこうとすることにしたという。

愛情いっぱいに育てた鰻を江戸前の最高の技でいただける喜びで食べる前からワクワクする。

裂き立て、蒸し立て、焼き立て

古賀さんが開業前に長年勤めていた南千住の名店『尾花』は、注文を受けてから活鰻を裂き始める。
その分、待ち時間が長くなってしまうことでも有名だ。

『泰正オーガニック鰻』では、お待たせしても美味しく食べてほしいとの願いからその手法を踏襲するそうだ。

今回は、古賀さんのご好意でその様子を見せていだだくことが叶った。

まず、これから裂く泰正オーガニック鰻の活鰻を見せていただく。
はるばる鹿児島から長旅をして3日目だが、驚くほど元気が良い。

数量限定とはいえ、提供2日目の昼で残り3尾。
古賀さんの危惧は杞憂だった訳である。
お客様は、値段に見合った美味しいものを求めている証だろう。
やはり、予約をして正解であった。

元気の良かった活鰻が鮮やかに裂かれていく。

続いて串打ち。
注目は、腹側の肝を外したくぼみの薄い肉を持ち上げるように、竹串で縫うように刺していく。
この串打ちの技が見た目も美しい蒲焼になる秘訣なのだ。

白入れ
江戸前鰻では、白入れをしっかりと出来るか否かで見た目と美味しさの両立が図れると私は思う。
皮目にしっかりと火を入れることで一番美味しい皮下の脂が閉じ込められて、深蒸しをしても旨みが逃げない技術だと思う。

白入れが終わると和蒸籠で蒸す。
鰻の状態で蒸し時間を見極めるのも大切である。

レアな泰正オーガニック鰻の肝焼き。
ご存じのように肝は鰻1尾につき1つ。
何尾も裂かないと肝焼きは出来ません。
前に注文してくださった方々のお陰でいただけます。感謝!

愛情いっぱいの鰻を活かした技を堪能

泰正オーガニック鰻の〈肝焼き〉

多くの方が抱いている「肝焼きは苦い」という概念を覆す逸品。
素材の良さとひと手間かけた技が光る。

〈白焼〉
実は私、白焼は地焼き派なのです。
しかし、この白焼には脱帽です。
本山葵を添えてくれましたが、いりません。
生醤油を箸の先で1滴たらしただけで旨みが口中に広がる至福の江戸前白焼。

そして、真打の泰正オーガニック鰻の〈鰻重〉登場。

 

見目麗しい鰻様。

雑味の全くなく、今シーズン最後で旨みが凝縮された泰正オーガニック鰻は『うなぎ処古賀』のタレと相性が良い。

1年8か月以上の間、24時間体制で水の温度やPhなど育ちやすい環境を整え、我が子のように育んだ鰻を長年培った技術の粋を結集した逸品は食べるものを感動させる。
うなぎが好きな方々にこの感動を分かち合いたいと思う。

『うなぎ処古賀』では、10月26日(木)から泰正オーガニック鰻の新仔を入荷予定とのこと。
数量限定のために予約は必須と思われる。

 

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