11月は、所沢・小手指『うなぎ屋酒坊・画荘 越後屋』の創業月である。
去年はお祝いに行けなかったので、今年こそは!という訳である。

予約の電話をすると3年ぶりに熊野古道の天然うなぎが入っているというではないか!?
そこでアイディアがひらめき、お祝いには、己書を描くことにした。
管理人は、昨年12月に日本己書道場・道場師範に認定されて己書まんぷく道場を開設したからだ。

往年の時代劇ファンなら知っていると思うが、越後屋といえば、お代官さまへ賄賂を渡すシーンの台詞である「山吹色の菓子にございます」を思い浮かべるだろう。その台詞に黄金色に輝く天然うなぎをかけて「山吹色の鰻にございます」と文字を入れてみた。

賄賂をもらったお代官さまは、にやついて「越後屋!そちも悪よのう」と返すので、受け狙いで店主・島崎さんの似顔絵に入れてみた。
反応は如何に?

喜んで受け取っていただいた!

さて、熊野古道の天然うなぎのほうはどうだろう?

お出ましになったのは、重さ1.4㎏ 体長1mあろうかとういわゆる「ボッカ」である。
ボッカ」とは、江戸の昔から片腕ほどもある大きな鰻を云う。大鰻が細長い棒状の杭を指す棒杭、木杭(ぼっくい)に似ているところからの呼び名であろう。今は1Kg以上の大きな鰻のことを指す。天然のボッカは、利根川の下り鰻が有名であるが、近年お目にかかるのは稀になってしまった。
なので、見ただけでテンションうなぎ昇りなのはいうまでもない。

島崎さんの裂きの技をご覧いただこう。

裂いた鰻がオスだったことに少しばかりホッとっする。

〈ヒレ巻〉と〈カブト〉が炭火の上にのる。

続いて〈白焼〉も炭の上に

身が膨らみ、天然独特の香りが漂い、期待も膨らませる。

越後屋一流の華やかに盛り付けられた〈白焼、ヒレ巻、カブト焼〉

〈白焼〉というよりも〈鰻のステーキ〉といった方がしっくりくる逸品である。
口の中にジュワーッと広がる感覚は、脂質とタンパク質が絶妙なバランスで出逢うと美味い!と感じるのだと思い知る。

こいつは、何といっても皮が美味い!
皮の下に熊野川の恵みを存分に蓄えている。

〈ヒレ巻〉
皮が美味いのだからヒレも美味いに決まっているのだが、尾ヒレそのものにこんなに旨みを感じるのは初めての体験だ。

〈カブト焼〉
こんなにでっかいカブトをギリギリまで焼き、食べられるようにする島崎さんの技に、まず脱帽である。

超レアであろう〈鰻のほほ肉〉
これだけ大きくなるまでにたくさん自然の幸を食べるために活躍した頬の肉は、これまた旨みの宝庫だった。
はしたないのを承知でカブトをしゃぶりつくしてしまった(^^;)

〈天然うな重セット〉が到着!

ここでうなぎ大好きドットコムお馴染みの「うな重パッカ-ン」の入った動画をご覧いただきたい。

越後屋のタレが薄く感じるのは、鰻自体の旨みが強いせいだろうか?
かといってタレが鰻に負けているなどということはなく、タレと鰻の旨みがハーモニーを奏でているようだ。

〈肝吸い〉に脂が浮いているのが、写真からわかるだろうか?
普段の肝吸いにはない旨みがあり、それでいてしつこくないところが素晴らしい。

今回の「熊野古道の天然うなぎ」は、うなぎ食い歴50年の自分の中でも最高の鰻だった。
それを最高の裂き、焼きの技術で振舞ってくれた島崎さんに心から感謝したい。

今回、島崎さんの技を間近で見ていて、天然うなぎを扱っているからこそ磨かれた技のような気がしてならない。
鰻業界では、資源不足とともに職人不足が問題になっている。
鰻という日本伝統的食文化を思うと非常に悩ましい問題である。
そんなことを考えていると、島崎さんから仕入れた天然うなぎの一定量は放流していて、いずれ資源保護のために天然うなぎ放流のNPO法人を立ち上げたいとという話を聞いた。大いに賛同し、自然の恵みに感謝してこの項を閉じたい。

 

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