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東京メトロ南北線・本駒込駅からJR田端駅に至る途中に動坂と呼ばれる坂がある。動坂は不動坂の略語で目赤不動が現在の地に移る以前の草庵があったことに由来するという。動坂を下った動坂下交差点の近くに『源氏』がある。

『源氏』のホームページによれば、源氏は元禄年間に駿河国・柏原宿(現在の静岡県富士市)で「角屋」の屋号で開業したそうである。柏原のうなぎの蒲焼は十返舎一九の「東海道中膝栗毛」にも登場するほど繁盛していたそうである。その後、明治になり柏原宿の廃宿や東海道線の開業の影響で柏原のうなぎ屋は大正時代には姿を消したそうだ。
参考:富士市HPうなぎの蒲焼 間の宿柏原 (pdf、134KB)

角屋の子孫は大正末に上京して、昭和初期に東京でうなぎ屋を再興して現在に至るわけだが、屋号の源氏は伊豆の東洋醸造の直売店で銘柄から名づけられたということだ。屋号の由来となった「菊源氏」を製造していた東洋醸造は1992年に旭化成と合併し、旭化成も2003年7月に酒造りの事業から撤退し、伊豆の酒、菊源氏もついにその歴史を閉じたそうだ。
参考:伊豆の酒、菊源氏を惜しむ

源氏の歴史を調べると興味深いことが多く、余談が長くなってしまった。

IMG_433801うなぎの源氏は盛況の様子。入店したときはほぼ満席だった。テーブル席の先客が食べ終わるのを待って席に着く。

店内の壁に数量限定うな重・3600円とうなぎ2尾のせのうな重の写真に興味をそそられるが、テーブルの上のメニューを見る。写真が豊富で初めての客には解かりやすく有難い。うな丼1800円でも小さいながら1尾のっているのでうな丼を頼む。西日暮里から歩いてきて汗をかいたので肝焼きと生ビールも頼むが、あいにく肝焼きは売り切れで煮こごりをアテにしてうな丼を待つことにする。

生ビールとお通しの山葵漬けがすぐに運ばれた来た。

ビールをひと口飲んだところで煮こごりも到着する。

 

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煮こごりは身がたっぷりと入っているのは嬉しい。もう少し滑らかな口当たりが出ると名だたる名店の上をいくと感じる。

注文から30分ほどでうな丼が到着する。丼の蓋をとると飴色の蒲焼が目に飛び込んでくる。表面も皮目も焦げが目立たない。口に入れると焼きよりも蒸しが勝っているかのようにとろけるような食感である。タレはやや甘めだが、とてもあっさりしている印象を受けた。

関西や名古屋の地焼きのうなぎとは対極にある蒲焼きだと思う。これがこの店の90年培ってきた味なのだろう。それが証拠におかもちを持って何度も出前に行き来するご主人の姿を見た。

 

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