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以前も書いたが、三郷・戸ヶ崎の『川魚 根本』は私が子供の頃から行っている店である。記憶にあるのは幼稚園の頃だから、かれこれ50年近く行っていることになる。

母方の実家の菩提寺が葛飾・水元にあり、母方の祖母の実家の菩提寺が八潮・古新田にある。行政区画は違うが金町駅と戸ヶ崎操車場を結ぶ京成バス路線の途中にある。そんな理由でお墓参りの昼ご飯に母や伯母たちに連れて行ってもらっていた。

私が柏へ越してきてからも江戸川を渡ればすぐということもあって、母方の祖父母のお墓参りなどにカミさんや子供たちも連れていくようになって現在に至る。なんと自分を中心に5世代にわたって根本のうなぎを食べている。

先日、「うなぎ大好き」でTwitterを始めて、川魚根本四代目の根本健一さんとご縁が出来た。一度、直接お話しがしたいとお願いしたところ、最盛期が過ぎたのでお彼岸の時期や土日祝日を除けば余裕が出来そうとの返事をいただいた。

善は急げとばかり、水曜の休みを利用してお邪魔して、休憩時間にお話を伺ってきた。

根本さんの仕事が終わるのを待つ間、もちろん美味しい鰻をいただく。

売り切れてしまうことの多い肝焼き(500円)があるとのことなのでお願いする。

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いつからかアルコールの提供を止めてしまったのが惜しいくらい酒のアテにちょうど良い肝焼きなのだ。

うな重は、上をお願いする。

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半世紀近く慣れ親しんだ味。いつもながら美味い!ただ、いつもより鰻の旨みが濃い気がした。

この日の午前中に台風18号が愛知県に上陸して、関東もその影響で激しい雨が降っているせいか?いつもよりもお客さんの入りは少なめだった。しかし、閉店の13:30ぎりぎりまでお客さんがやってくるのは流石、人気店だ。

閉店時間を過ぎ、仕事が一段落した根本さんがわざわざ来てくれた。

まず、長年美味しい鰻をいただいていることにお礼を言う。
根本さんは四代目ということだが、川魚店から鰻屋になって50年ほどだという。自分は鰻屋になった頃から来ていることになる。

ここ15年ほど数多く鰻屋さんを食べ歩いて、『根本』の鰻は唯一無二だと実感しているので、製法の秘密を伺ってみた。自分が予想していた通り生蒸しをするそうだが蒸し方は少し変わっているかもしれないと厨房へ案内してくれた。

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普通は蒸籠や蒸し器で蒸すところを大鍋に網を置き、大量の蒸気が当たるようにして茹でるに近い蒸し方であのふんわりして身と皮の間のゼラチン質を感じることのできる食感が可能になるようだ。五右衛門といわれる湯に浸してしまう製法の時間が経つと固くなってしまう難点を補って余りある独自の製法だと思った。

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もちろん、良い炭で熟練の技術で焼くのも美味しさの秘訣であるのは言うまでもないだろう。

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仕入れた鰻の管理も万全である。
この鰻は三河産の新仔だそうです。旨みが濃く感じた理由がわかりました。

養殖池では、大きさごとに何度かの選別が行われます。選別を繰り返すと特に成長の早い集団が出来ます。1年未満で出荷出来るまでに成長したものを新仔と呼ぶそうです。成長が早いということは食欲旺盛でエネルギーに満ちて、若いためにも柔らかく、身も脂が乗り、小骨も少ないのが新仔の特徴だそうです。

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見た目の照りと艶がよく、濃厚でいて、後味がすっきりしているタレも根本の特徴です。
その秘密を根本さんにお聞きすると
「材料は醤油、味醂、砂糖と他の鰻屋さんとかわりません。」と言いますが
タレを焦がさないように2~3時間煮詰め、ご飯にかけたときにさらっとする状態にするそうです。

タレ壺の中では粘度が強く、たれかけの器具の隙間からタレが流れないほどだそうです。

私は自分自身の鰻の原体験である『根本』の鰻が美味しい理由を好奇心でお聞きした訳ですが、ここまで惜しげもなく教えてくださった根本さんに心から感謝致します。

また、秘密を明かしても他には真似の出来ない鰻という自負を根本さんから感じました。

50年、変わらぬ鰻を提供してくれる『根本』の鰻が原体験ではなかったら「鰻には店ごとに違った美味しさがある」と鰻の食べ歩きをしていなかったかもしれません。

改めてお話を伺った根本健一さんはじめ『根本』の皆さんに感謝いたします。
ありがとうございます。ご馳走様でした。

 

お土産用のうな重も買ってきた。

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『根本』の鰻が大好きだった母の仏前に供えるためと子供たちの分である。きっとみんな喜ぶに違いない。

 

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