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京成青砥駅北口を出て、国道6号方面へ進み、城北信金青戸支店の前を過ぎると右側に『青砥焼き 鰻 いづみ』がある。

道路から少し引っ込んだ玄関扉を開け、店内へ入ると、黒を基調とした和モダンな雰囲気である。

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こちらは「青砥焼き」という技法でうな重類の出来上がりまで35分ほどかかるという。ならば、鰻料理をつまみに飲んで待つのがうなぎ好きの作法というものだ。

うな重類は、飲んだ後の〆に食せるように半尾付けから用意されている。女将さんにおすすめを聞くと「青砥焼き うな重」の1尾付けを頼む人が多いという。並と上があるが、並でも4.5Pサイズだという。並でも十分な大きさである。メニューを見ると蒲焼きと白焼きが両方楽しめる「二色重」があるので「二色重」(並)をお願いする。

うな重が出来るまで「肝ぽん」と「肝焼き」をつまみにビールを飲んで待つ。

ビールとお通しが運ばれる。お通しもひと手間かけた品で美味しい。メインの鰻への期待も高まる。

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まず、「肝ぽん」が運ばれる。
炙った肝を優しい味のぽん酢で和え、あさつきにもみじおろしがのっている。シンプルな料理だけに肝の下処理が味を左右する。きちんとした仕事をしているのがわかる。

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続いて「肝焼き」が来る。甘みを抑えた正統派の江戸前のタレが染みた肝焼きは香ばしさとほろ苦さと出会うことで美味い。

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うな重が出来るまで、朗らかで気さくな女将さんの越智 由紀子さんと話が弾む。
少し前に女将さんが「うなぎ大好き」のFacebookページに いいね!してくださり、Twitterでもフォローをしてくださってるのだ。

いづみは、元の屋号を「伊豆屋」といって江戸後期からの歴史があり、浅草・花川戸、日本橋横山町に店舗があったということを聞く。いったん伊豆屋は事情があり、閉店するが、その間は伝統のタレはお弟子さんたちが大切に守ってくれていたという。
先代が1969年頃にここ葛飾・青戸で店を再興する。その時に伝統のタレも戻って来たのだそうだ。先代は謙虚な方で、自分にはまだ「伊豆屋」の屋号を引き継ぐ実力がないと、屋号を「いづみ」に変えたそうだ。

女将さんに話を聞いたあとで、All Aboutのうなぎガイドをしているうなぎ好きの盟友・山室賢司さんが「有名な嘉永5年(1852年)の番付表に伊豆屋として出ています。」教えてくださった。

ひとくちに歴史と伝統といってもその道のりは山あり谷あり。守っていくのは並大抵のことではないと感じる。

案内通り、40分弱でうな重が到着。お重の蓋を取ると半紙がかけてあります。
老舗の鰻屋さんでは、出前をするときに半紙をかけて配達しますが、店内では初めて見ました。

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半紙をとる綺麗に焼かれたおうな様登場。
しっかり蒸しているのでフワフワな鰻です。
半紙のお蔭で、鰻の旨味が鰻合せて炊かれたご飯に移ってさらに美味しさを増しているのが印象的である。

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江戸前の技法を踏襲した美味しい鰻と感じた。「青砥焼き」とは、どのようなものかをご主人の越智 恒次さんにお聞きした。

江戸の頃から伝わる伝統技法によって、蒸しの工程を注文を受けてから行ない、明治初期から守り継ぐ秘伝のタレで焼き上げるとのことである。江戸焼きと言い換えてもよいのでは?という問いには、葛飾・青砥は江戸の範疇ではないので「青砥焼き」と命名したそうだ。先代と同じく、当代も謙虚な人柄なのだ。一方で、鰻に捧げる情熱は熱い人であった。

下町・青戸に江戸時代から歴史との技法を守り継ぐ良店に出会えたのは、うなぎ好きとしてこの上ない幸せだった。

 

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