養鰻の革命児・泰正オーガニック鰻
泰正養鰻の横山桂一さんが上京された。嬉しいことに一日ご一緒してくださるという。
今から1年半前、横山さんが泰正養鰻の様子をTwitterで発信し始めた時に「ここまで公開していいの?」と思いながらリツイートした。
相前後して、『鰻 はし本』の4代目・橋本正平さんも相互フォロワーとなり、交流が始まった。
横山さんは、泰正オーガニック鰻が世に出る初期からのコアメンバーだと言ってくださり、とても貴んでくださる。
橋本さんとは、取引があり、お互いに良い品をお客様に提供する同志のような関係だが、私はいちサポーターに過ぎないのにである。
そのような人柄だからこそ、愛情を以て鰻を育てられるのだろう。
横山さんは、若い頃にプロゴルファーを目指していた異色の経歴を持つ養鰻家である。
横山さんがアメリカへゴルフ留学をしていた時のエピソードが泰正オーガニック鰻誕生秘話だと思ったのでご紹介する。
留学当初、英語での日常会話もままならない横山さんはファストフードばかり食べていたという。
そして、1ヶ月も経たないうちにアレルギーを起こして健康を害してしまったそうだ。
ファストフードには、食品添加物が含まれている。
加工食品を安全に届けるためには、食品添加物が重要な役割を果たすのも事実。加工食品に食品添加物を使わない方が、かえって安全を脅かされる側面もある訳である。だた、家庭で料理を作れば、食品添加物を避けることが出来る。
横山さんは、自炊を始めて健康を回復したという。
この時にお母様が愛情をこめて作ってくれた料理の有難さを実感したことだろう。
この時の体験が、泰正養鰻での薬を一切使わない完全無投薬、成長合わせて最適な餌を与えるという飼育方法に繋がっていると思う。
楽しい一日は、浦和の『くら川』さんで〆ることになった。
和食の革命児・くら川
『くら川』の料理の特徴は、さまざまな食材をある条件において良好な状態にし、調理して、店のウリである燗酒を始めとした酒の友にすることだ。
数年前から【熟成】がムーブメントになっている。
〈熟成肉〉がその口火を切ったように思う。
では、熟成とは?
例えば肉を熟成させれば、それ自体の持つ酵素の働きによってタンパク質が分解され、アミノ酸が増す。また、乾燥することで水分が飛んでうま味が濃縮し、強く感じられるようにもなる。肉質に関しては、熟成期間中に筋線維を硬くまとめていた結合組織中のコラーゲンがほどけ、軟らかくなるという。
熟成を促進されるためには外的環境を整える必要がある。
仮にタンパク質の分解に微生物が関わってしまうと腐敗してしまう。
〈熟成肉〉をウリにする店では、肉に特化して熟成環境を整えている。
しかし、料理に使うほぼ全てを熟成されるのは至難の業である。
食材の性質を考慮し、どんな身質に仕上げたいかを逆算した上で、時間と温度を設定し、管理しなければならない。
その至難の業を駆使した食材に料理の技を用いて、極上の酒の友に仕上げるのが『くら川』の料理人・蔵川雄貴さんだ。
供される酒も燗をする温度、時間を調整して料理や客の好みによって同じ銘柄でも味わいを変えてしまうのだから恐れ入る。
この日の料理の数々
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革命児たちの響宴
美しさ、旨み、美味しさを堪能したが、この日の主役は何といっても『泰正オーガニック鰻』である。
愛情をいっぱいに育てた養鰻家の前で至高の料理人が腕を振るう場面に遭遇出来たのはうなぎ好き冥利に尽きる。
鰻は裂き立てが一番美味いといわれるが、その定説を覆すかのように蔵川さんは裂いた鰻を熟成させる。
熟成させた鰻に串を打ち、酒を吹きかけ炭火の上へ
皮目には、細かい焼き目がつき、芳醇な香りを放つ。
焼き上げた白焼にサクッ、サクッと小気味よい音とともに包丁を入れられて目の前に
皮はパリッパリッで噛めば口中に旨みが広がっていく。
横山さんは、リスのようにずっと口の中に含んでいたいと言っていた。
その気持ちはよ~くわかる。
蒲焼は胡瓜とともに最高級海苔〈彦兵衛の幻のこんとび〉に巻かれて〈究極のうなきゅう巻き〉として提供された。
蔵川さんから巻き立てを手渡しされて、その香りに圧倒されて
その匂いを吸い込んで、写真を撮るのも忘れ頬張ってしまった。
ご覧の皆様に雰囲気だけでも味わっていただくために
〈究極のうなきゅう巻き〉の動画を『くら川』さんから拝借させていただく。
二人の革命児の響宴を鰻喫させていただき Go to heaven…
志のある者の周りには、志のある者が集う。
ますます目が離せない。