東武アーバンパークライン・運河駅から利根運河沿いに6分ほど歩くと風情のある土塀をまわした屋敷が見え、門の表札には『新川』と記されている。
こちらでは日本料理 は『鰻割烹 新川』、洋食は『ブラッスリーしんかわ』でいただける。
日本料理の『鰻割烹 新川』は、創業が明治25年(1892年)。
眼下に流れる日本初の西洋式運河として知られる利根運河の完成(1890年)の2年後の創業ということになる。
資料によれば『鰻割烹 新川』創業当時 、利根運河は1日に100隻以上の船や筏が行きかい、東京へ物資を運ぶ重要な航路の役割を果たしていたという。
現在の利根運河は、運河の役割を終え、両岸は利根運河水辺公園として市民の憩いの場となっいて、特に春は桜の名所として有名である。
利根運河の歴史とともに歩んで来た 『鰻割烹 新川』
利根運河の歴史を振り返り、鰻を食すのも一興であろう。
※利根運河の歴史については『利根運河物語』 を参照していただきたい。
敷地内案内図を見ると入口すぐに 『ブラッスリーしんかわ』があり、左奥に『
鰻割烹 新川 』 がある。
案内図に従い、庭を抜けると趣のある玄関前に出る。
出迎えてくれた女将さんに案内されて、2回のお部屋へ。
日常を離れ、くつろげる空間である。
窓の外に目をやれば、桜の木があり、開花の時期にはさぞかし綺麗だと想いを馳せる。
『鰻割烹 新川』では、特別養殖鰻〈うなぎ坂東太郎〉と特選国産鰻を使用している。今回は鹿児島産の〈特選鰻重〉をいただく。
蓋を開ける前からワクワクする。
肉厚の鰻を香ばしく焼き上げた蒲焼は、香りだけでノックアウト寸前である。
鰻の旨みもさることながらタレが自分の好みだ。
甘さの加減がツボなのである。
蒲焼のタレの調味料は、醤油とみりんが基本。
千葉県北西部は江戸の昔より「醤油は野田、みりんは流山」といわれる地域。
地元の素材を熟知した職人の技がタレ作りに活かされているのは、想像に難くない。
『鰻割烹 新川』もうひとつの特徴は〈肝吸〉
かきたま仕立ての〈肝吸〉なのである。
数多くのうなぎ専門店へ伺っているが、初体験だ。
鰻と玉子の相性が良いのは周知の事実だが、肝吸にも合うとは嬉しい発見だ。
鰻足感いっぱいで完食。
ご馳走さまでした!
利根運河の桜を愛でながら鰻を食すのも乙だと思うのだった。