うなぎのせいろ蒸しの発祥の地・福岡・柳川へうなぎ旅です。
福岡空港から地下鉄、西鉄と乗り継いで柳川駅に到着しました。
改札を出て、まず目に入ったのが「うなぎのせいろむし」の看板です。
早速、うなぎ様に歓迎されているようです。
さて、本日のお目当ては「うなぎせいろ蒸し」の元祖を名乗る『元祖本吉屋』さんです。
旅立つ前に下調べをしていると
ぐるたびの『柳川名物グルメ「うなぎのせいろ蒸し」。発祥の店でアツアツふわふわを堪能』という記事の中で
10代目に当たる本吉勉さんの義弟である一安健太郎さんが次のように話されています。
「初代が江戸で刀鍛冶をしていた際に関東の蒲焼を知り、地元柳川に戻って考案したと言われています。当時の柳川はうなぎの名産地でしたから。皮が堅かったうなぎを柔らかく、そしてアツアツのまま提供できないだろうか、と考えた末にできたのではないかと聞いています。せいろ蒸しには“柔らかくする”ことと“アツアツのまま食べていただける”という2つの利点があるのです。」
柳川名物グルメ「うなぎのせいろ蒸し」。発祥の店でアツアツふわふわを堪能
『元祖本吉屋』の創業は天和元年(1681年)、なんと342年前に初代は江戸のうなぎにヒントを得て、「うなぎのせいろ蒸し」を考案したんですね。
※10代目・本吉勉さんの霧島酒造でのインタビュー記事も併せてご覧ください。
西鉄柳川駅から約1㎞、12分ほど歩いて元祖本吉屋に到着です。
なんとも風情のある建物なんでしょうか。
玄関で靴をぬいて1階のお座敷に案内されます。
お部屋からのお庭の眺めも素敵です。
お献立を拝見して
今日のおともを選びます。
元祖本吉屋へ来たのは〈せいろ蒸し〉が目当てなのですから〈せいろ蒸し〉に〈白焼の酢の物〉に〈肝吸い〉〈香の物〉がついた〈せいろ蒸し定食〉に致します。
〈白焼おろし〉が気になったので定員さんにお聞きすると、パウチした写真のメニューを見せて説明してくれました。
美味しそうなので〈白焼おろし〉もお願いします。
白焼おろし
白焼に大根おろし、七味、レモン、小ねぎ、山葵と色々な薬味が添えてあります。
レモンを絞り、薬味を全部乗せでいただきます。
おろしのさっぱり感、レモンの爽やかな酸味、七味と山葵の辛味、小ねぎの風味が複雑に絡み合って白焼の旨みが引き立てられます。
これは、お勧めの品です。
白焼酢の物
〈せいろ蒸し定食〉についてくる〈白焼酢の物〉が先に運ばれきました。
白焼のうざくを想像していましたが、胡瓜がないので酢の物なんですね。
カリカリ感が残った白焼にお酢の酸味が加わって非常に美味です。
せいろ蒸し定食
せいろ蒸し
お待ちかねの〈せいろ蒸し〉です。
重厚で年季の入ったせいろ、艶のあるうなぎ、錦糸玉子のビジュアルは、ザ・柳川ですね。
この艶と照り、またりません。
口に入れるとやや歯応えの残ったふわっと柔らかさは、地焼きの蒲焼を蒸すことによるせいろ蒸しならではだと思います。
タレがよく染みて、もちもちのご飯も美味しいです。
絶品、せいろ蒸し堪能させていただきました。
美味鰻福、ご馳走さまでした。
お部屋に飾られてる小倉出身の小説家・劉寒吉の書画ある
「柳よし柳河本吉うなぎよし」
の言葉が柳川を代表する老舗・元祖本吉屋を端的に表していると思いました。
人口64,000人の柳川市に30軒以上のうなぎ店があり、柳川といえば、せいろ蒸しの礎を築いた『元祖本吉屋』は、うなぎを語る上で欠かせないお店だと思うのでした。