「池袋駅」西口を出て、池袋郵便局を目指します。池袋郵便局の前を過ぎて最初の道を左折し、すぐ右手に縄暖簾のお店が「かぶと」です。新宿・思い出横丁の「カブト」から唯一暖簾分けを許された職人気質のご主人のお店と噂に聞いていたので、いつかお邪魔してみたいと思っていました。
入店したのは開店して30分ほど過ぎた17:30頃。カウンター8席・テーブルと小上がりの座卓が1卓ずつというあまり広くない店内は、すでに定連さんで半分以上が埋まっていました。ご主人は見るからに職人という雰囲気で焼き物担当、それ以外は女将さんの担当のようです。串焼き一通り、きもわさ、鰻重、白焼きを注文。ご主人が「鰻は蒸しますか?」と聞いてくれました。こちらは蒸さない流儀と聞いていたので物は試しと「はい」と答えました。生ビールも何故か普通の国産ビールではなくベルギーのホワイトビール「ヒューガルデン」が置いてありユニークです。
隣に座っていた常連のOさんとおっしゃる方が話を振ってくださるので、打ち解けて鰻談義をしてると、ご主人が「それだけ鰻を知ってるなら蒸すのは却下ね!」の一言。その代わりというわけではないのでしょうが、「変なもん食ってみる。まずいたって金は取るよ。」答えはもちろんYes。出していただいたのが、横利根産の天然鰻の串焼き!特にきも焼を頬張ると口の中に良い香りがふわぁーと広がります。
お約束で蒸さずに炭火で焼かれた白焼は、ふっくらで脂ののり加減も絶妙でした。これにアンデスの岩塩とバリ島の塩をつけてくれ好きな方で頂きます。蒲焼の美味さも言うことなし。隣のOさんが、「親父にばれるとうるさいが・・・。」とご主人の目の前で教えてくれたのが鰻茶漬け。女将さんにお茶碗にご飯を盛ってもらい、蒲焼をのせ吸物をかけて頂く。Oさん曰く、「京都のお茶漬鰻で有名なKも美味しいが、ここのが日本一!」
「かぶと」は、Oさんのようなコアな定連さんと店主ご夫妻が織り成す「ザ・鰻ワールド」です。