東急世田谷線「松陰神社前駅」から駅名にもなっている世田谷松陰神社方面へ向かい道路左側の鶏肉専門店の前を過ぎたら最初の角を左に曲がり、また最初の角を左へ曲がると右手に黒塀と「うなぎ割烹 一二三」の看板が目に入ります。門をくぐると左右に建物があり、それぞれ暖簾がかかっています。左手が母屋、右手が離れです。母屋の玄関を入り、声をかけると「ご予約のお客様ですね。お待ちしていました。2階の1番手前のテーブルにご用意が出来ています。」と案内されました。
こちらは注文受けてからウナギを割き始めるという(今では珍しくなってしまいましたが)至極真っ当なお店です。
実は初めてなので電話で確認をしてから伺ったのです。うな重のグレードは4段階で1500円の並、1900円の梅、2400円の竹までは鰻1尾分ですが目方が違うそうです。2900円の松は1尾半のっているそうなので迷わず松と別注の肝吸い100円を頼みました。着く時間がわからばその時間に合わせて用意して頂けるとのことなのでお願いすることにしたのです。
電話を切ってから白焼きも食べたくなり、追加の電話すると松ならば1尾半の内、半尾分だけ白焼きにすることも出来るという有り難いお言葉に素直に従いました。 このようなサービスをしてくれるお店は初めてで感激してしまいました。
部屋に案内されてビールをお願いすると一緒に出来立ての白焼きとお新香を持ってきてくれました。白焼きは半尾とはいえ厚みも大きさもたっぷりあり、このサイズが3枚のっているうな重の松はしびれるボリュームです。口に入れるとウナギの良い香りがふぁ~として脂ののり具合、蒸し加減など満足度は高い白焼きです。
白焼きを食べ終わったころあいを見計らって持ってきてくれたうな重もきりりとしたタレをまとい、完成度の高い一品です。こらだえけのものを2900円で提供して下さるとは頭が下がります。しいて言えば、白焼き自体の完成度からすると本山葵を使用したほうが釣り合いが取れる気がしました。しかし、それでは私が感じた「良いものを安くというご主人のコンセプト」に反してしまうのでしょう。(多分)
明神下神田川本店といい、江戸川橋の石ばしといい歴史ある日本家屋のうなぎ屋さんに良いお店が多いという公式が出来そうです。