※このお店は閉店しています
御徒町と上野を結ぶ中央通りとアメ横の間にある上野中通商店街(通称:うえちゅん)のほぼ中ほどに「鰻弁慶」はあります。モノトーンのビルの横に「鰻弁慶」の縦長の看板はアメ横側からも目立つのでご覧になった方は多いはずです。
私は久々にお邪魔しました。前回は確か、東北新幹線はもちろん京成スカイライナーも走っていない頃ですからずいぶん前のことです。子供の頃、伯父は弁慶の鰻とナガフジの甘食が自分の好物だったので上野に行くとお土産に買ってきてくれたものでした。ですから私の中で弁慶の鰻は折詰め弁当のイメージでした。
この日は非常に空腹だったので入口にディスプレイされていた「サービス鰻丼」を席に着くなり注文していました。待つこと15分ほどで鰻丼がやってきました。蒲焼をひとくち、続いてタレのかかったご飯をひとくち、美味しさとともに子供の頃食べた記憶がよみがえります。
私が食べていると、ステッキをついた老紳士が来店。「いっらっしゃいませ 。」と仲居さんがおしぼりとお茶ではなくてビールを持ってきて、「いつものでよろしいですね。」と聞かれると頷く老紳士。しばらくして顔をほころばせながら蒲焼を口に運ぶ紳士の姿が見ました。こういう贔屓筋がいるお店が暖簾の重みですね。