用事があって、都内へ出る時は、何か美味しいものを食べることがひとつの楽しみです。
今日のターゲットは、渋谷の大和田で鰻を頂くことにしました。週末で混んでいる可能性があるので、電話で問い合わせてみました。
上品な女性が電話に出ました。お昼の時間は、予約でいっぱいとのことです。何時頃空くのか?尋ねますと「2時頃には空くと思いますが…」とのことなのです。こちらは、渋谷に着くのが1時半過ぎなので、逆に好都合です。
ご注文を承っておきますか?と聞かれたので3000円の白焼きとうな重、肝吸い100円をお願いしておきました。
電車の乗り継ぎがスムーズだったので、予約時間の30分前に着いてしまいました。
外で待っていてもよいと思い、お店に伺って2時に予約してあることを伝えると2階の4畳半の座敷に通されました。
「お飲物はお茶でよろしいですか?」と言われましたが、今日は夏のような暑さで渋谷駅からの道中だけで喉がカラカラ。
ビールをお願いしました。それに、おつまみあります。とメニューに書いてあるので、お聞きすると、甘海老の塩辛か鮪の角煮があるというので、甘海老の塩辛をお願いしました。
ほどなく甘海老の塩辛が運ばれ「白焼きが焼き上がるまでしばらくお待ちください」と品よく言われれば、待ちますよ。鰻は待つものですから。と、うなぎ好きには幸せな時間が始まります。
甘海老の塩辛は、麹を纏ってお酒によく合います。ビールがすすみ、鰻で飲む分を残しておかねば(^^ゞ
さあ、白焼きが到着です。
「しばらくお時間を空けて、うな重を持ちしますね。ごゆっくりお召し上がりください。」さりげない気遣いが素敵です。
蓋を開けると、炭火焼き独特の良い香りが鼻腔をくすぐります。これだけでたまりません!
まずは、白焼きだけでいただきます。う~ん、甘い!鰻本来の旨味が甘いと感じさせます。
おろし立ての山葵と醤油でもいただきます。これは、これで美味しいですが、こちらの白焼きは、自分は何もつけずに食べる方が好きです。
あとでお聞きしたところでは、この日の鰻は、鹿児島産だそうです。質の良いものを産地にこだわらず仕入れているそうですが、南九州産が多いそうです。
炭は、やはり紀州備長炭を使用しているそうです。炭火焼きは食べる方にとっては、独特の香りが楽しめて良いですが、鰻と同様、価格の高騰がお店の悩ましい問題かと思います。
白焼きを食べ終わったのを見計らったようにお待ちかねのうな重がやってきました。
蓋を開けると、やはり炭火で焼かれた香ばしさが際立っています。ビジュアル的にも美しい蒲焼きです。タレは比較的あっさり目なので、その分香ばしさと鰻の旨味が引き立てらています。素材の良さを感じさせるタレと焼き方は、自信の表れでしょう。
肝吸いの薬味にはネギが入っており?と思いましたが、出汁をしっかり引いているので邪魔しません。あとからくる柚子の香りもいいです。肝自体もしっかりしていて美味しいです。メニューに肝焼きがないので裂いた鰻の物を使っているのでしょう。
渋谷駅前の喧騒からわずかの距離で、静かに鰻に舌鼓を打てる良いお店でした。