4年前の2004年11月7日、成田市の甚兵衛大橋近くの「い志ばし」へ行く途中通りかかり、周りは田んぼであまり民家のない場所にうなぎ蒲焼きののぼりを発見、興味をそそられていました。
良い天気に誘われて印旛沼近くにドライブ。お昼に余白亭にお邪魔することにしました。
暖簾をくぐり玄関を入る。自宅を開放した店舗のようです。一般のお宅より広めのダイニングに6人はゆうに座れるテーブルが3卓。テーブルには可愛らしい花が活けてあります。広い窓には田園風景。反対側には壷などの焼物や古美術品が飾られています。
うなぎ料理は、懐石風鰻重(2700円、3000円)です。鰻重の他に何種類かのうなぎなどの料理が付きます。うなぎを蒸す時間を待ってもらっている間の凌ぎの意味もあるとか。今回は、3000円の懐石風鰻重と白焼単品(2000円)をお願いしました。
まず、うなぎの骨の煮付。しゃきしゃきした年配の女将さんの話では、うなぎを割いて骨を外したときに付いた身ごと煮たそうです。骨を揚げて時間が経つとどうしてもしつこくなるので余白亭では煮付けるとのこと。骨に付いた身に味が良くしみていてコリコリした骨の食感も楽しめてよいです。
次は、兜煮・蒲鉾・肝煮・雑魚煮の盛合せ。兜煮と雑魚煮は甘露煮風にしっかり煮てありますが、肝煮はあっさりした煮方です。肝のほろ苦さが好きな方にはもってこいの味付けです。
今度は野菜の煮物。田舎風の甘辛い味付けではなく、薄味の煮物。
そして待ちに待った鰻。単品で頼んだ白焼から。半分に切っていない長焼で登場。珍しい頭付きです。表面はパリッとしていて中はふっくら。まさにジューシーという言葉がぴったり。味が来ている鰻で山葵だけで頂きました。
鰻重にはかに味噌豆腐、漬物、シジミの味噌汁が付いて来ました。うなぎのタレは、甘さがあるのにさっぱりしています。後口さわやか。うなぎのタレはさっぱりしていると辛口が普通ですが、甘口なのでとてもユニークに感じました。煮物味付けなどもそうですが、甘みと旨みがあるさっぱりとした味付け。上品です。
最後にデザートとしてさつま芋のはちみつ煮。レーズンが入っています。
値付けは一見高そうですが、これだけ堪能できるなら納得です。
途中から登場のご主人は、白髪交じりの長髪を後ろで束ね、髭を蓄えたいかにも趣味人という風貌。名刺にも鰻処・鴨料理の他に古美術・盆栽と書いてあります。
田園風景を眺めながら、本格派鰻料理を親戚の家で頂く雰囲気を楽しみたい方は、是非どうぞ!
余白亭は金曜定休の昼のみの営業。いらしゃる際は、電話でご確認、ご予約をお勧めします。