お盆で下諏訪にあるカミさんの実家に帰省した。諏訪湖周辺は鰻の美味しい店が多く、どの店に行くかは、うなぎ好きにとっては嬉しい悩みなのだ。
『鰻 小林』のホームページを見ると以前下諏訪 うなぎ小林の店主が写真とともに載っており「下諏訪で27年間培った味へのこだわりを更に追求し、新しい火床でより高いレベルの味を表現するために、2006年4月より店舗を諏訪市四賀に移転致しました。」と書いてある。
カミさんの実家の近くにも『うなぎ小林』があり、うなぎ大好きでもレポートした。近隣の岡谷のうなぎは裂きは背開き関東風、焼きは蒸さない関東風だが、下諏訪の小林は蒸しの工程はあるそうだが地焼きに近い美味しさもあった記憶している。
中央道の諏訪インターへのアクセスも便利なので『鰻 小林』へ行くことに決めた。予約は前日まであったので電話をすると今は予約は受けていないという。
混むことを予想して開店30分ほど前に店に到着。すでに駐車場には車が何台も停まっていた。その多くが他県車だ。まあ自分たちも他県者なのだが…(笑)
店の前には順番待ちの用紙があり、名前と人数、注文品まで記入するようになっている。用紙の上のお品書を見て蒲焼きと白焼きが「金銀鰻重」に上重、鰻丼に天然鮎の塩焼き2尾とかじかの唐揚げが1匹100円とあったので10匹と記入。幸い6番目だったので1巡目に入れるかな?と…。
開店時間になり「ご予約の○○様、お入りください。」と店員さん。自分たちと同じように予約を受けていないと言われたと思われる人から早速クレームが…「ずいぶん前にご予約をいただいたものですから」との答え。予約していた2組が入り、しばらく経ってからフリーの客が1組ずつ入店していく。いっぺんには店内に入れないシステムのようだ。自分たちは20分ほど待って入店出来た。店内はまだ空席があった。店頭には住宅街のため騒々しくしないようにとの貼り紙があったので、この入店システムは改善した方がよいと個人的には思う。
指定された席に着き、しばらくしてお茶が運ばれ、注文の確認がされた。鮎は昨日で品切れ、かじかは2匹で330円だという。鮎はもちろんあきらめ、かじかは1人2匹ずつに変更した。店頭のメニューもたいした手間ではないのだから差し替えることをした方がやはり個人的にはよいと思う。
かじかの唐揚げはカウンター席に作り置きがあり、そこからとって運ばれてきた。もし、自分がサーブするのであれば1人2匹とオーダーが出ているので銘々に2匹を盛って出すと思うし、せめて取り皿は用意すると思う。
かじかの唐揚げは甘いタレをからませてあり味は良い。しかし、作り置きのためタレが飴状に固まって噛み切るのに苦労する。歯の悪い方は注意が必要だと思う。
次に金銀鰻重と上重につくサラダと湯葉豆腐が運ばれてきた。
入店から15分ほどで鰻丼が到着。開店前に店の外で待っていた時に鰻を焼く良い匂いがしていたので途中の工程までは終えているので店内に入れば、提供までは早いのだと思う。
鰻丼の鰻は1切れと書いてあったが予想より大きい。上重の2切れと比べても鰻の目方は大して変わらないのではないかと?鰻丼の蒲焼きを口に入れると残念なことに泥臭い。入口には立て場があるのでもともとの鰻の質が違うのかもしれない。丼だけあってご飯の量が多い。タレが少ないのでテーブルにあったタレをかけるとタレがとても塩っぱく感じたのは意外だった。
鰻の質の違いは、上重、金銀鰻重の蒲焼きを食べ比べても感じた。鰻丼、上重、、金銀鰻重の蒲焼きとランクが上がるにつれて鰻の質も上がっているように感じられた。
鰻丼、上重は吸い物なのに対して、金銀鰻重は肝吸いがついた。肝をあぶってあり香ばしく美味しい肝吸いだ。また、金銀鰻重には薬味、出汁がつき、薬味をのせたり、お茶漬け風にも食べられる。金銀鰻重はお勧めだと思う。
個人的には、同じ店主が作るものなので以前に食べた地焼きテイストが残る蒲焼きを期待していたので期待が外れてしまった。味の志向は人それぞれ。店主が高いレベルの味を表現といっても向く方向によって違いが出てくるのではないか?それを評価する人、しない人。味の追求はとても難しいと思った。