何度か書いているが、最近は蒸さない地焼きの鰻にはまっている。青物横丁にある「うなぎ丸富」も蒸さない鰻だとどのサイトか?忘れたが読んだ記憶がある。
青物横丁駅は生まれて初めて降りる駅だ。初めての土地へうなぎにかこつけて行くのもうなぎ食べ歩きの魅力のひとつである。丸富へ行く途中の「東海道南品川」交差点そばには「旧東海道」の道標がある。この交差点を左へ曲がると漫画「浮浪雲」の舞台となった品川問屋場跡があるらしい。真っ直ぐ進み丸富を目指す。間もなく「うなぎ」の看板が見えてきた。
鮮やかな緑の暖簾はうなぎ丸富と白く染め抜かれいる。開店時間少し前だが、先客がいるようだ。「もう、いいですか?」と戸を少し開けて聞くと「いらっしゃい」と元気な声がかえってきたので入口の調理場よりのカウンターに席を定める。
店はコの字型のカウンター席のみで右手が調理場で道路に面したところに焼き台がある。
調理場との境にメニューの札が下がっている。うなぎの串が何種類かあり、ロックオンしてしまう。「ビールとうなぎの串焼きひと通りください。」と言う「串焼き全部で6種類あるけど全部焼く?」「全部お願いします。」「好きだねぇ。」「うなぎ大好きです。」自己紹介か?と心の中で自分につっこむ(笑)
「写真撮っても構わないですか?」と聞くと「お客さんみたいに聞いてくれれば、写真ぐらい構わないけど、マナーの悪い客が多すぎ!」と大将。
それからは打ち解けてくれ、いろいろ話をしてくれました。
うなぎの串は串焼、きも焼が出てきた。
次にレバー焼、ひれ焼、えり焼。
最後に頭焼。
どれもボリュームがあり、美味しい!部位によって焼き方を変えている気がする。きもや頭はしっかりとカリカリに焼き上げてある。レバーは火は通っているが中はレアというか、レバーペーストのような食感。18〜20尾分を使っているそうだ。ひれは皮と身の間のゼラチン質が楽しめる焼き加減。
意識的に焼き方を変えているのか?を問うと「感だよ。感。30年もやっていると身に染み付いているんだよ。」との返答。
「でも、焼きは一生って言うじゃないですか?」
「焼くのなんか簡単だよ。難しいな、と思ってちゃ出来るもんも出来ない。俺にも出来るって思った奴が出来るのよ。」
う〜ん。一理ある!
〆のうな丼を頼む。うな丼にはふつうとダブルがあり、ふつうは約1尾分で2,000円。ダブルは鰻が倍で3,750円。何とリーズナブル!
串焼きでお腹が膨れたので今回はうな丼のふつう。
パリふわの蒸さない地焼きの食感だ。しかし、聞くと「蒸してるよ。」自分自身が歯応えがない鰻が嫌いなので焼いた時に歯応えがあるように蒸しているとのことだ。やや甘味を感じるタレともよく合っていると思う。
肝は、きも焼に使うので肝吸いはなく、汁物はみそ汁。丼に入ったみそ汁の具は、味が染みた豆腐に揚げとネギ。シンプルだが美味い。
先客の常連さんと身体の不調の話をしていたので「また、来ますから元気でいてくださいね。」と帰り際に伝えると
「借金と元気はいくらでもあるから大丈夫!」
大笑いして「そのフレーズ、いただき!」というと
「持ってきな。遠いとこ、ありがとうね。」
美味しく、楽しいひとときでした。
※酒類とうなぎの串焼などは夕方(16:30~)の営業時間だけの提供となります。