Facebookにうなぎ愛のある人たちが集まる「うなぎ愛好会」というグループがある。その主要なメンバーAさんが2015年8月にオープンした『うなぎ創作 鰻樹』の第1号のお客さんで贔屓にしている。
Aさんの投稿を見るたびに『うなぎ創作 鰻樹』へ行きたい衝動が高まり、ついに訪問が叶った。
JR武蔵野線・吉川駅南口ロータリー右側の横断歩道を渡り、右へ進む。2階にお店があると聞いていたので少し視線を上に向けると白地に“うなぎ”と黒で書かれたのぼりが見えた。目当てのビルの階段を昇ると無垢の木に『鰻樹』と書かれた看板が出迎える。右手の引き戸を開けて店内へ。
店主の鈴木裕介さんは、「うなぎ大好き」とも交流のあるうなぎ問屋で経験を積んだのち、埼玉・松伏の『川昌本店』で修業をしたそうだ。鈴木さんが手が空いているときにお話しが出来ることを期待してカウンターに座る。
まず、生ビールをお願いして、おすすめを聞くと「お飲みなるならうなぎ串の食べ比べはいかがですか?」もちろんお願いする。
甘めのタレ・白焼き・塩コショウ・醤油の効いたタレの4種類のうなぎの串が1度に楽しめる。鈴木さんによると塩コショウはうなぎが食べられなかった人もこれを食べてうなぎが食べられるようになった人もいるそうだ。鈴木さんが如何にうなぎを好きになってもらいたいかがうかがえるエピソードのひとつだろう。
続いて「うなぎの皮焼き串」を焼いてもらう。
鈴木さんは、うなさしで有名な川昌で修業したのでこちらも「うなさし」は人気メニュー。川昌では、うなさしに湯引きした皮も付くが、こちらでは皮を竹串に巻きつけタレ焼きにしているのだ。ひれ焼きは、うなぎの串焼きを出す店ではあるが、皮焼きはとても珍しい!外はパリッと中はミディアムレアで鰻のコラーゲンと旨みが半端ない!フグでも身と皮の間はトウトウミと呼ばれ美味い部分。その部分が堪能できるオリジナルうなぎ料理だ。
コラーゲンつながりでお隣・三郷の『川魚 根本』の蒲焼は生蒸しでコラーゲン感が楽しめると鈴木さんに振ると、鈴木さんがうなぎ問屋に勤めていた頃、根本へうなぎを納めていたそうです。先日、お話を伺った根本4代目のお父さんは、小さい鰻が混じっていると中川に放していたなどという話も聞けて、鰻ワールド全快です(^-^)
次に「うなぎのたたき」をいただきました。
皮は普通の白焼きよりも強く焼き、大根おろしやネギなどの薬味がトッピングされ、ポン酢とごま油ベースのタレ。ふかけられた胡麻、塩、山椒の風味が美味しさを一層引き立てます。
〆は、Aさんが提案したという蒸さない関西風で甘めのタレと蒸した関東風で辛めのタレの2種類の蒲焼がのった相盛りうな重。
関東風は、ふっくら蒸しあげて醤油と味醂だけで作ったキリリとしたタレがよく合う。川昌直伝の蒲焼ですね♪
関西風は、やや名古屋テイストを感じた。鈴木さんにそれをいうと、味の調節のためにたまり醤油が入っているとのこと。甘みもはちみつなど数種類の甘味をブレンドしてスッキリとした旨甘さに仕上げてある。もちろん、地焼きなので皮はパリッとしていてサクフワの蒲焼だ。
いろいろな鰻料理を美味しくいただき、鰻の話もたくさん楽しくできた素敵な時間でした。きっかけを与えてくれたAさんに感謝です!
鈴木さんをAさんたちは“(うなぎ)王子”と呼びます。この若さで知識も豊富で料理の腕も確か。納得のニックネームです。
『鰻樹』を回しているプリンスとプリンセス。厳しい状況の鰻業界に新風を吹き込んでくれることを心から願っています。