『入谷鬼子母神前のだや』は明治元年創業の鰻・川魚専門調理士の技術者集団「野田屋東庖会」が運営している。
店主の江部恵一さんは野田屋東庖会のトップでもある方だ。
『のだや』はもともと台東区根岸で50年余の歴史を刻んできた。
2012年4月、建物の老朽化によりにいったん休業するが、移転先を探していたところ、入谷鬼子母神前で営業していたうなぎ店「味乃江戸っ子」が閉店となった場所で2013年2月『入谷鬼子母神前のだや』として新たにスタートした。
※詳しい経緯は「下谷の3つのうなぎ屋さんの話」で記している。
女将の江部 雅子さんにお聞きした話によると、もとは江部恵一さんのお父様が根岸『のだや』の店主だったが、野田屋東庖会のトップに就任したために管理人が伺った(2006年8月)当時の店主・伊藤弘義さんに店を任せたのだそうだ。以前は野田屋東庖会のトップとのだやの店主は兼任出来ない決まりがあったようだ。現在はその縛りもなくなり、江部恵一さんが野田屋東庖会のトップと店主を兼ねているのである。
『入谷鬼子母神前のだや』はオープン2年半余でFacebookページの「7000いいね!」を達成した。それを記念して、10月14日に「のだや7000いいね!達成を祝う会」を行う。管理人も参加を希望したところ、幸い出席できることになった。
当日のメインは、のだやの裏メニュー中の裏メニュー「岩塩ひつまぶしう
のだやは管理人の住まいから交通の便が良いので、いつでも行けるという気楽さからまだ未訪だった。
裏メニュー中の裏メニューを食べる前に通常メニューを食べなければ、その良さが際立たないと思い、急遽伺うことにした。
入谷駅を地上に上がり、言問通りを鶯谷方面へ少し行くと建物の上に「う」の文字が目に入る。
引き戸開けると、女将さんはじめ店員さんが気持ちよく迎えてくれるのも嬉しい。
最初から「うな太郎」があったらお願いしようと決めていた。
「うな太郎」は、うな肝がある時だけの限定品で、蒲焼の周りにうな肝焼きがびっしりでう巻きも入っているのだやの味をいっぺんに楽しめる豪華な逸品です。
幸いにも「ご用意出来ます。」とのこと。しかも幻の共水うなぎで作った「きょうすいうな太郎」もあるという。めったにお目にかかれないのでこのチャンスは逃してはいけない!少し財布は軽くなるが、お腹も心も満たされるに違いないのでお願いした。
「お時間をいただきますが…」
美味しい鰻は待つものです。
40分ほどで「きょうすいうな太郎」がやってきます。
お重の蓋をとると、そこは彦摩呂さんではないが「鰻の玉手箱や~!」と叫びたくなるほどの豪華さ。
まずは共水うなぎの蒲焼からいただきます。
ふんわりむされた鰻からは、旨みが口の中に広がります。
丹精込めて育てられた鰻を丁寧に調理すれば、誰が何と言っても美味しいのです!
肝も丁寧に下処理されているので、旨みとほろ苦さが奏でるハーモニーはたまりません。しかも量もたっぷり。
う巻きのほんのりした甘さの調和が蒲焼と肝焼の味を際立たせる役目も担っているかのよう。
期待通りにお腹もいっぱいになり、豊かな気分になりました。
ご馳走様でした。