高千穂の槵觸(くしふる)神社から天真名井(あまのまない)へ行く途中に『手打ち十割蕎麦・天然うなぎ 神代庵』という看板を見つけた。うなぎ好きとしては行かねばならない(笑)
緑いっぱいの樹木の中を進むとトタン張りの民家がある。ここ本当にお店なの?と疑っているとうなぎ好きにとってたまらない匂いが漂ってくる。
中を覗くと年配の男性が鰻を焼いているではないですか!
「すみません。食事できますか?」と声をかけると
「何名様?」
一人である旨を伝えて、うなぎが食べたいというと、蕎麦なら待ってくれれば出来るがうなぎはダメだといわれてしまう。
宮崎県はうなぎの減少が危惧されているため、資源の利用と管理に関する対策として毎年10~12月の3カ月間、県内で体長25センチを超える親ウナギの捕獲を禁止することを決めている。県の「うなぎの採捕制限」に加えて河川・池・沼など淡水における漁業者の組合である内水面漁業協同組合では毎年10月から翌年3月までの期間、うなぎを禁漁としているそうだ。
10月からの禁漁期間は、9月までに獲ったうなぎを活かしておいて営業しているとのことだ。しかも今シーズンの分は予約でいっぱいだそうだ。
今、焼いているのは東京からこれから来る8名のお客さんの分だという。
食べられないならば、せめて写真だけでもと思い、ご主人の金丸邦彦さんにお願いして、天然うなぎを焼いているところを写真に撮らせてもらった。
丁寧に裂かれた天然うなぎが焼かれいていく。
肝も大きく、プリプリしている。
金丸さんは、焼きながらいろいろ教えてくれた。
漁期には五ヶ瀬川の支流の奥深くに行ってチヌ針の仕掛けでテグスを使って、うなぎを捕るそうだ。一般的な胴にえさを入れる仕掛けでは川の流れが早いために流されてしまうそうだ。
そして、こちらのタレは、砂糖を使わずに醤油、味醂と少量の酒で作っていて甘さが少ないということだった。
天然うなぎの旨味が強いので砂糖を使わなくてもしょっぱく感じないのだそうだ。
焼いているところ見て、金丸さんの話を聞いているとよだれが出て、食べたくなってしまう。
漁の始まる4月から食べられるが、6月以降がちょうど良い大きさになって美味いそうだ。いつ頃、来たいといえばとっておいてくれるそうだ。12月頃から夏場の予約も入るとのこと。
機会を作って来たい店であるが、九州はちと遠い。