うなぎ好きの友人に宮崎でお勧めのうなぎ屋さんを聞いたところ、珍しいという観点で『入船』を推薦してくれました。キーワードは「大きな待合室」ですって。
東九州自動車道・西都ICを降りて、国道219号線(米良街道)を北上し、西都市街地を通過して、しばらく走ると「南方神社」の石造りの鳥居の中へ進むように案内板が出ている。鳥居を抜けると、そこには広大な駐車場。120台停められるらしい。道の駅の駐車場台数が概ね20台以上が基準になっているのでその大きさがわかる。大きな待合室を見る前に圧倒されてしまった。
平日のランチタイム終了間際の訪問だったので、駐車している車はわずかだったが、混んでいるときだったらさらに圧倒されたことだろう。
駐車場には、鯉のぼりならぬ「鰻のぼり」が泳いでいる。
駐車場の奥には、「うなちゃんハウス」という、これまた大きな立て場の建物がある。
中を覗くと活鰻を産地別に分けたイールライフが建物いっぱいに積み上げられていた。これを見ても相当数のお客さんが入るのがわかる。
「大きな待合室」とだけ聞いていたので店舗の中に病院のような待合室があるのだろうと想像していた。しかし、店舗とは別棟の待合室(待合棟とでもいうのだろうか?!)があるではないか!
待合室の中はベンチシートが並んでおり、壁には芸能人やスポーツ選手の写真が貼ってある。
ホームページによれば、年間25万人が訪れるそうだ。そのために広大な駐車場と待合棟を完備しているのであろう。
待合室の扉に「店内にて受付をお願い致します。」と書いてあるので、店内へ。
幸い昼の忙しい時間が過ぎたのか、待合室に戻らずに入店できた。
入口から見渡せる範囲の1階は全て上がり座敷になっている。
庭の見える席に腰を下す。
すぐにおしぼりと急須に入ったお茶と湯のみが運ばれる。
メニューを見て、入船の料理がほぼ味わえる「うなぎ定食」にしようと思う。
並の「うなぎ定食」は「酢ぬた」がついていないので「特上」か「上」で迷ったので、店員さんに聞いてみる。
「特上」は、骨せんべいがついて、蒲焼、酢ぬたのうなぎの量が「上」よりも増えるという。
「特上」はボリュームがとてもあるそうなので「上」をご飯少な目でお願いする。
注文から10分と経たないうちに「うなぎ定食・上」がお出ましになる。
まず、「酢ぬた」から。
柚子風味の酢味噌は、うなぎの白焼にとても合うという新発見をした。下に敷かれたオニオンスライスのお蔭でサラダ感覚のうなぎだ。うなぎが少し苦手な女性には受けそうな気がした。
蒲焼に移る前に「呉汁」をひと口。店によってやはり呉汁も違う。宮崎では、うなぎとともに呉汁の探検も面白いかと思う。
さあ、蒲焼!
宮崎2軒目にして、ぷりぷりジューシーなのが、宮崎のうなぎの特徴だと感じる。
やや甘めのタレがふんだんにかかっているのでご飯の上に乗せて「うな丼」風にして食べる。
タレの絡みの良い美味しいご飯である。うなダレご飯だけでもいけそうだ。とはいってもプリフワな蒲焼も全部いただくのだが…(笑)
待合棟に貼ってあった「特上入船米」の説明によれば、呉汁の出汁をとった昆布などを捨てずに田んぼに撒いているそうだ。うなぎだけではなく、美味しいものをさらに美味しくしようとする姿勢と創業明治27年、120年以上の伝統の技が相まって、大勢の客を引き付け、待ってでも食べたいと思わせるに違いない。
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