「鰻福会」という全国各地のうなぎ屋さんがSNSでつながる会がある。
もともとは「うなぎ大好き」を開設当初から応援してくださっていた「日本養殖新聞」が情報交換のために構築したLINEグループが発展して、2014年9月から親睦、情報交換の集いを開いているそうだ。
管理人は「日本養殖新聞」の高嶋取締役編集長から「鰻福会」のことを伺って、鰻福会会長の名古屋・うな豊の服部社長とご縁ができた。
鰻福会の会員の皆さんは、とにかく熱い鰻愛にあふれる方ばかりだという印象なのだ。
西浦和駅前にある『うなぎ処 古賀』の古賀秀喜社長も鰻福会の会員である。
美味しい「うな重」をいただき、お話を伺っててきた。
JR武蔵野線・西浦和駅で電車を降りるとホームからもお店の看板とうなぎのノボリが見えるので、初めてでも迷うことなく行けるのだ。
店内へ入って感じたのは清潔感だ。
右側には小上がり席、左側にはテーブル席がある。
おすすめの「鰻重」は、「梅」からが1尾付けだそうだ。
「竹」は「梅」よりも大振りな鰻が1尾、「松」は「梅」と同じ大きさの鰻が1尾半ということだ。
ちなみにこの日の鰻は宮崎産ということだった。
本当ならば「松」をいただきたいところなのだが、この後、うなぎ好きの会「うなぎ愛好会」の集いがあるので、「梅」をお願いした。
お重の蓋をとって、思わず「美しい!」と呟いてしまった。
炭火を使って、これだけ美しく焼く蒲焼はなかなかお目にかかれるものではない。
小さ目の鰻をお願いしたにも拘わらず、ふっくらとろける食感も流石のひとことである。
甘さを抑えたキリリとしたタレといい、ザ・江戸前蒲焼だ!
それも古賀さんの話を伺えば、納得するのだ。
古賀さんは、東京・麹町で江戸時代から9代続いた「丹波屋」(現在は廃業)や食べログ東京都うなぎ部門・昼のランキング1位の「尾花」などの名店で研鑚を重ねたいう。
また、川魚を主とする日本料理のスペシャリスト団体「野田屋東庖会」の青年部部長もされていたこともあり、NHK土曜時代劇「陽炎の辻」の技術指導もされたそうだ。
浦和で開業されてからは「浦和のうなぎを育てる会」の活動にも参加している。
伺った日は、ちょうど「秋の土用の丑の日」でこんなイベントも
お店独自でも
年に4回ある土用の丑の日には
「お客様に日頃の感謝を込めての超特価!! 国産うなぎ蒲焼1300円!!(要予約)」
という企画も
店内で待っている間に何にかのお客さんが予約の蒲焼を取りに来ていた。
そして「うなぎ募金」協力店でもある。
「うなぎ募金」とは
【この募金活動は、「独立行政法人 水産総合研究センター」で取り組んでいる、「完全養殖うなぎの量産技術開発」が一日でも早く実用化となり、これまで100%天然資源のシラスウナギを使用していたうちの何割かを人工シラスウナギで補って、自然保護、安定供給につなげていくという観点から、「独立行政法人 水産総合研究センター・ウナギ統合プロジェクトチーム」の研究費等に充てる寄付金を募るものです。】(「日本のうなぎを育てる会」のうなぎ募金の説明より)
古賀さんの「鰻重」は美しさ、香り、食感、味のいずれを一流の江戸前鰻職人の仕事だと感じる。
当代の名人のひとりといっても過言ではない。
それでいて、見た目も口調も優しく、親しみやすい人柄なのだ。
また、紹介したようにお客さんを大切にし、鰻を通して社会貢献活動もしている。
口で言うのは簡単だが、なかなか出来ることではない。
それを可能にする原動力は「鰻愛」なのではないだろうか?!
このようなサイトをしていると「おすすめのうなぎ屋さんは?」とよく聞かれる。
江戸前鰻が食べたい方に自信を持って推薦できるお店がひとつ増えた鰻足、鰻福の出会いであった。