藤沢駅南口の大通りから一本入ったところにある『はま吉』 読み方は「はまよし」
「藤沢へ行く」と西浦和の『うなぎ処 古賀』の古賀秀喜さんに話したところ、「私の紹介と言って、はま吉さんへ行ってみてください。」と勧められた。
『はま吉』店主の中村さんも古賀さんと同じく、南千住の名店『尾花』で研鑚を積まれた方だそうだ。
店内に入ると左手に炭の焼き台があり、年配の男性が鰻を焼いている姿が見える。
とても丁寧な焼き方で見とれてしまう。
手を休めたところで
「浦和の古賀さんに聞いてやって来ました。」と話しかけると
「それは、それは。ありがとうございます。」と柔和な笑顔で答えてくれた。
右手には調理場側にカウンター7席。
通路を挟んで4人掛けのテーブル席が3つ。
店内は、基本的に和で統一されているのだが、カウンターやテーブルなどが黒でまとめられているのでモダンな雰囲気も醸し出している。
日曜日の昼過ぎに伺ったところ、ほぼ満席。カウンター席に空きがあったので幸い待たずに座れた。
座るとすぐに、お茶とおしぼりが運ばれる。お茶が美味しい。お茶が美味しいうなぎ屋さんは期待が持てるという法則が自分の中にはある(笑)
今日は奮発して「特上うな重」をお願いした。
30分ほどでお待ちかねの「特上うな重」が到着。
昼の閉店時間が過ぎて、テーブル席が空いていたので
「こちらでごゆっくりお召し上がりください。」とテーブル席を勧めてくれた。
気遣いが嬉しく、お言葉に従った。
お重からして素敵である。
蓋をとると、お重いっぱいの鰻様がおわします。
美しいビジュアルにフワトロな食感、キキリとしたタレ。
The江戸前鰻である!
自分が食べた『尾花』の鰻よりもほんの少し焼きが強めであるが、鰻の質で調整されているのかもしれない。
特上は、ご飯を食べ進むと中にも鰻様がいらっしゃる(^-^)♪
中の鰻は、とろけるというよりもクリーミーになっており上質の鰻のテリーヌを食べているようだった。
また、こちらの「うざく」も絶品だと思う。
土佐酢で和えているのか甘さ酸味のバランスが素晴らしい逸品だ。
昼の最後の客だったこともあり、食べた後に店主の中村さんご夫妻と少しお話をさせていただいた。
ご夫妻の言葉の中から“鰻愛”をとても感じる。
話をしていると、お孫さんがちょうど散歩から帰って来た。
中村さんの眼差しからお孫さんを慈しむように鰻も作っていらっしゃるのだなぁと感じる。
中村さんの優しさが料理にも表れていると美味しさの秘密を納得した。