小田急・東京メトロ千代田線 代々木上原駅南口を出て最初の丁字路を左へ曲がると香ばしい匂いが漂っている。そこが目当ての『鮒與』である。
店内は、鰻の寝床といわれる縦長の客席になっていて、こじんまりとしている。2人掛けのテーブルが9つでところどころ付けてあり、客の人数によって対応が出来るようになっている。
『鮒與』は「うなぎ大好き」を開設した当時にテレビ朝日系で放送していた「旅の香り 時の遊び」の氷川きよしが旅をするコーナー「小さな小さなふれあい旅」で紹介されていたのを観て、興味が沸き、いつかは行ってみたいと思っていた。
昭和歌謡界に多くの名曲を残した作曲家・古賀政男が生前愛した店として知られ、近年は『ミシュランガイド』の星は付かないまでもコストパフォーマンスが高い、調査員おすすめのレストランであるビブグルマンにも選ばれている。
今回、念願が叶い、ようやく訪問できた。
メニューは、うな重、蒲焼、肝吸い、肝焼のみで潔い。
うな重、蒲焼は、並、中、上、特上のランクがあるが、違いは鰻の大きさで味、質は同じだという。
幸い「肝焼」があるというので、「肝焼」に「うな重・上」をお願いした。
まず、「肝焼」の到着。
続いて「うな重・上」も到着。
うな重の蓋を開けるシーンを #うなパカ 動画で
注文を受けてから蒸し、タレ焼きの工程に入るようで20分ほどの待ち時間がある。
炭火でしっかり焼かれている。
香ばしく、歯応えが残っている焼き方だと感じる。
皮目もしっかり焼きが入っており、パリッとした感じが良い。
江戸前のしっかり蒸したフワトロの良いが、しっかり焼いた鰻も魅力的である。
うな重だとご飯で蒸れてしまうので蒲焼でいただくと皮目のパリッとした美味しさが味わえるような気がした。
帰り際に女将さんと話をさせてもらった。
10年以上前にテレビで古賀政男さんが贔屓にしていたお店として拝見したことを伝えると
「古賀政男先生には本当にご贔屓いただいて…」と懐かしそうな目をされた。
古賀政男生誕100年の時にテレビ局の取材が入って、その後もたびたびテレビに登場しているようだ。
女将さんが26歳の時に創業した『鮒與』は52年の歴史を刻んでいるそうだ。ご主人だった先代は28年前に亡くなり、現在は2人の息子さんが調理にで前にと頑張っているそうだ。お客さんも3代にわたっ贔屓にして方もいるという。
「お客様あっての店だからちゃんとした仕事しなさい。」といつも息子さんたちに言っているという女将さんは実年齢よりも若く見える。これも鰻パワーのお蔭なのだろうか?!
うなぎ大好き的にもビブグルマンを贈りたくなるアットホームな店であった。
お土産に「骨せんべい」(300円)を買って帰った。
自家製だという「骨せんべい」は、パリッとしていて美味し!
家族が喜んだのは、言うまでもない(笑)