酉の市の賑やかさから一夜明けても浅草の中心部は平日といえども人出が多い。従って人気店の前はどこも行列が出来ているか、予約で満席なのである。
浅草といっても国際通りを渡った西浅草は浅草寺側の喧騒が嘘のように静かな下町の風が吹いている。
国際通りの「公園六区入口交差点」から「合羽橋交差点」へ行く途中の信号を左に曲がったところに『さんしょ』はある。
入口側に4人掛けテーブル席が2つ。衝立で仕切られた奥に6人掛けテーブル席と4人掛けテーブル席。
女将さんがお茶とおしぼりを持って来てくれた。
お茶が美味い!これだけでホッとする。
うな重は「もみじ…2700円」「いちょう…3500円」「うめ…4300円」
「うな重・もみじ」をお願いする。
カウンター越しに調理場が見える。
白置きしてある串を蒸し器に入れる。蒸し器から湯気が出てくるとご主人が手で直接蒸し具合を確認している。
2度目の確認で蒸し器から出す。蒸し時間は短めで5分ほどだった。
1度炙ってからタレ焼きに入る。焼き加減を見ながら4回ほどタレに付けて焼き上げる。
頃合いを見て、女将さんがお重にご飯をよそい、吸物の準備をする。
息の合った連係プレーである。
10分ほどで「うな重・もみじ」が到着。
#うなパカ 動画でお重の蓋を開けるシーンを
小さいながらも1尾付けとは嬉しい!
浅蒸しで皮目がパリッとした焼き方は冷めても美味しい下町の焼き方のような気がする。
しかもやや甘めのタレがよく染みている。
こちらのご主人は千住のうなぎ問屋で修業して30年前(1985年)にここ『さんしょ』をオープンしたそうだ。
亀有の『うな辰』の先代も千住のうなぎ問屋で修業して開業している。
当時の下町の焼き方に共通点があるのかもしれない?!
店名の由来である「山椒」は厳選に厳選を重ね、京都産のこだわりぬいた山椒を使っているということだ。
前回訪問(2008年11月)の際は山椒をかけずに食べ終えている。レポートもしていなかった(-_-;)
臭みのない蒲焼には山椒をかけない派だが、あえてかけてみる。
良い香り後から鰻の旨味を感じて最後に舌にピリッと来る。
良い山椒だと思う。
ある鰻店で「この山椒は舌が痺れる。」とのクレームで山椒の質を落としたという笑うに笑えない話を聞いた。
「良い山椒とはこういうものですよ。」と教えてあげるもの食文化を守る食育の一環かもしれない。
きっちり出汁を引いて柚子の香りがアクセントになった吸物も自家製の糠漬けも美味しくいただいた。
江戸前老舗のふわとろ鰻も良いが、下町の味の鰻も良いものである。
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