毎年のことなのだが、鰻初めはどこのうなぎ屋さんへ行こうか迷ってしまう。行きたいうなぎ屋さんがたくさんあるからだ。
たまたま今年の運勢のサイトを見ていたら自分の2016年1月の吉方位は北だという。占いとかは信じる方ではないが、行く店を絞れるのは有り難いので北へ向かうことにする。
Google Mapを拡大すると自宅から北で大きな都市に宇都宮が出てきた。栃木県のうなぎ屋さんは未訪なのでちょうどよい。東武線を乗り継いで、宇都宮へ向かう。
2016年の鰻初めは『川蝉』
比較的小さな店だが、趣がある。
店内へ入っても趣のある設えだ。
鏡餅ののった菰樽が正月気分を演出している。
開店を待っていたもう一組とカウンター席へ案内される。
1階は、カウンターと4人掛けのテーブルが一つ。2階にも席はあるようだ。
昼のメニューはシンプルだ。
うな重が「松」3,564円、「竹」2,916円の2ランク。
「蒲焼御飯」「白焼御飯」が3,240円。
「蒲焼」「白焼」の単品が2,700円。
「うな重・竹」に「白焼」の単品をお願いする。
足元が冷えないようにと女性には膝掛けを持ってきてくれる心配りが素敵だ。
20分ほどで「白焼」が到着。
皮目はパリッと焼かれて、身はふわっとした仕上がり。うまいっ!
ジューシーな白焼だ。何もつけずに食べても美味い。山葵も良い感じ。
ほどなく「うな重・竹」もやって来た。
お重の蓋を開けるシーンは #うなパカ 動画で
うな重には肝吸い、お新香にこの日はゴボウの煮物の小鉢がついてきた。
白焼と同じく皮目はパリッと、身はふわっとした鰻にやや甘めのタレがまとっている。しつこくないタレが鰻の旨味を引き立てている。ご飯の炊き具合にタレのかかり具合も自分好みである。
食事のあと、少しお話をさせていただくと『川蝉』は創業約40年で2人の職人さんはご兄弟だそうだ。
歯切れよく、元気に話してくれるので好感度も上がるというもの。
千葉から来たことを伝えると
「せっかくいらしたから上の額も写真を撮ってください。」とカウンターの上に額があるのを教えてくれた。
慶長という江戸初期の年号が書かれた額は「かまわぬ」と読み、「どうぞ、かまわないからお入りください」という意味で一般の家と商いをしている家の区別をするために玄関先にかけられていたそうだ。
「また、宇都宮へいらした際はぜひお越しください。」と見送られた。
趣のある店に細やかな心配り、鰻も美味しいし、ぜひまた来たい店である。
初春から気分よく鰻が食せて、今年も鰻初めは縁起良い!