JR両国駅西口を出て、国技館と反対側(南)へ進み、国道14号(京葉道路)を右折。首都高速・向島線を見ながら進むと右側に『両国どぜう桔梗家』の看板が見えてくる。
『両国どぜう桔梗家』は、1933年(昭和8年)創業の老舗どぜう料理店でかつては『駒形どぜう』、『どぜう飯田屋』、『どぜう ひら井』、『どぜう 伊せ喜』とともに「東京5大どぜう屋」ともいわれていた。しかし、江東区高橋の『どぜう 伊せ喜』は東日本大震災の影響で老朽化していた建物が再建できずに廃業してしまった。現在は、東京4大どぜう屋になってしまった。
他のどぜう屋が建物を新しくする中で『両国どぜう桔梗家』は、レトロな雰囲気を残すどぜう屋である。
玄関を開けると右側には立て場がある。
ポールの中には、どぜう屋さんなので元気の良い活どじょう
元気などぜうちゃんを動画で
下足を脱ぎ、店内は昔ながらの入れ込み席。
両国では、ちょうど大相撲夏場所開催中で混んでいることが予想されたので予約を入れておいた。
席に腰をおろし、壁のメニューを見上げるとどぜう、うなぎ、鯉と川魚のメニューに嬉しい悲鳴(笑)
定番のどぜうの「丸なべ」「鯉あらい」「鯉あら煮」と日本酒をお願いする。
日本酒は「和楽互尊」の特別純米酒
すっきり呑めるのにコクがある。
「丸なべ」を火にかけ、煮立ってきたら
ネギをたっぷりのせて、さっと火が通ったら食べごろ
どじょうは、昔から俗に「ウナギ一匹、ドジョウ一匹」とも言われ、わずか1匹で鰻1匹分に匹敵するほどの高い栄養価を得られるのだ。
江戸っ子が好んで食べたのも頷ける。
桔梗家さんへ来ようと思ったきっかけのひとつが「日本養殖新聞」で始まった連載「美味‼鯉メニューのお店」で桔梗家さんが取り上げてられていたからだ。
鯉は、魚の中でも最も薬効が多く「薬用魚」「療養魚」と言われるほど栄養価に富んでいる。
たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル類をたっぷりと含んでいる。
若い方は、ご存じないかもしれないが、「鯉は母乳の出がよくなる」といわれている。
「鯉あらい」
コリコリしていて、旨味がたっぷり!
この旨味は、鯉ならでは。泥臭いなんでことは全くないですよ~!
酢味噌をつけて。美味いねぇ!
昔の人は、素材によく合う調味料をよく考えていると感心する。
「鯉あら煮」
魚のあらは、美味しいところがギュギュっと詰まっているけど、鯉も同じ。
甘醤油で煮込んであるからホッとする美味しさ。
骨だけは気をつけて食べましょうね。
「うなぎ きも焼」「うなぎ カブト焼」
メニューには2本と載っているけど「1本ずつでもいいですよ。」と(^-^)
「うなぎボーン」でもう少しお酒をいただく。
100円だから気軽に頼めるね^^
「日本養殖新聞」の記事を見てきたことを伝えておいたので
手が空いたことで桔梗家・3代目の堀木章夫さんとお話させていただいた。
今日のどじょうは北海道産だそうだ。北海道のどじょうは、品質が良く、しかも初夏から夏しか手に入らない貴重品だそうだ。
桔梗家さんでは、その時期の質の良いものを仕入れることにこだわっているという。
うなぎの価格が高騰していて、代用品などの話題があるが、他の川魚も栄養が豊富で見直してほしいという。
これは、自分も同意見!うなぎ大好きは、川魚大好きでもあるのだ。
〆にはやっぱりうな重!お腹がきつきなってきたのでどの程度の大きさがよいか伺うと「上うな重で十分では?」ということでお願いする。
お吸い物は、せっかくどぜう屋さんへ来たのだから「どぜう汁・丸」に変えてもらう。
「上うな重」
尾側の半身だが、食べて呑んだ後にはちょうど良いサイズ。
フワトロで江戸前鰻の製法を踏襲している。
肉厚の鰻に甘めのタレがよく絡んで美味いっ!
お椀の蓋をとると魚特有の良い香りが
「どぜう汁」の中には、丸のどじょうがたっぷり
これで200円。〆には頼んでほしい品だ。
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川魚を堪能して鰻面の笑みを浮かべていると、隣の席のお客さんが話しかけてきてくれ、意気投合。
引き続き、熱燗のお銚子をいくつも開けてしまう(^^ゞ
これも下町ならでは!
江戸の世から続く伝統なのかもしれない。
大鰻足で楽しい宴のひとときを過ごせたことに感謝して、強者の聖地・両国を後にした。