先日、うなぎ断ち明けの予約を『八重洲 はし本』した後のこと。
次のような泰正養鰻・横山さんのツイートを見た。
10月28日から
東京、はし本 喜代川
埼玉、越後屋 くら川
にて、ご提供期間は各契約店違いますが完全無投薬で大切に育てた泰正オーガニック鰻を是非この機会にご賞味下さいm(__)m pic.twitter.com/0o8SH0Uito— [泰正養鰻]横山桂一 (@KeiRk624) 2016年10月25日
※参考記事「泰正オーガニック鰻」
8月下旬にうなぎ断ちに入ってしまったので泰正オーガニック鰻の新仔は、まだ食べいていない。
カミさんと一緒に都合がつくのは30日の日曜日だけ!?
間際になってしまったので予約がいっぱいで断られることを覚悟で『うなぎ屋酒坊・画荘 越後屋』の店主・島崎さんに連絡すると、運よく席が空いているということだった。
横山さんにも島崎さんにもうなぎ断ちの最中は、心配していただいたので、予約が出来てラッキーだ!
この日、用意されていた活鰻は、お目当ての泰正オーガニック鰻、
熊野古道、熊野川上流の天然下り鰻、
岡山県児島湾の天然鰻。
『うなぎ屋酒坊・画荘 越後屋』で運良くカウンター席に座れるとこうして割く前の活鰻を見せてもらえることがある。
当たり前のことだが、同じ鰻といっても顔貌は1尾、1尾によって全く違う。
調理すれば、味わいの違いにも通じる。
自分の口に合う、好みに合うはあるが、簡単に味の優劣は付けられるものではない。
食べるというのは、命をいただく行為だからだ。
感謝していただく。それに尽きると思う。
活鰻を見せてもらうことで、自分はさらに感謝の念を強くする。
それを理解して、調理してくれる島崎さんに出会えたことも喜びだ。
お料理は、「鰻の煮凝り」、ナッツやドライフルーツと一緒に盛られた「骨せんべい」から。
はじめて伺ったカミさんは骨せんべいのスパイシーな味に興味津々の様子。
島崎さんに「何が入っているんですか?」と聞いている(^^ゞ
泰正オーガニック鰻のカブトを串に刺して焼いてもらう。
他の料理は基本的にお任せなのだが、カブト焼きだけは必ずお願いする。
『うなぎ屋酒坊・画荘 越後屋』では、マニアックなうなぎ好きには炭化するぎりぎりまで強めに焼く焦し焼きをしてくれる。
突っ込んで焼くことで微かな苦みが出る。その苦みが甘みや旨味をさらに引き出し、複雑な美味さになるのだ!
今日、使用する備長炭の原料はウバメガシで紀州備長炭の中でも高級品ということである。
楽しみが増す^^
カブト焼きが焼きあがるのを待つ間に
『うなぎ屋酒坊・画荘 越後屋』特製の「白ばらサラダ」をいただく。
”白ばら”は、鰻の一番太い骨の周りの白身の部分で蒲焼などに使うときは割くときに落としてしまう部分だ。
うなぎ串焼き店などでは「白ばら串」として使うこともあるが、『うなぎ屋酒坊・画荘 越後屋』はサラダに使う。
鰻1尾を粗末にしない調理法のひとつだ。
うなぎ串焼きの到着。
先ほどの泰正オーガニック鰻のカブト焼き
鰻の頭はとても硬く、骨も多い。圧力釜など蒸して下拵えをするのが一般的だ。
しかし、『うなぎ屋酒坊・画荘 越後屋』では炭火の力と焼きの技で丸ごと食べられる状態に仕上げる。
「尾びれ焼き」
尾びれは鰻が泳ぐときに最も動かす部位。
鰻のエネルギーが詰まってると思う。
通常は捨ててしまうところだが、美味しく仕上げている。
泰正オーガニック鰻の「肝焼き」
肝が美味いのは、健康な鰻の証明でもある。
泰正オーガニック鰻の「白焼」
振ってある塩は癖のない海水塩だそうだ。
塩のついた部分と塩のない部分を食べ比べると味わいが違う気がする。
塩のない部分は鰻の旨味だけがストレートに感じる気がする。
塩のついた部分は、海水のミネラルを含んでいるので、海のミネラルが隠し味としてはたらき、複雑な旨味が加わるのかもしれない。
そう、島崎さんに伝えると、しばし塩談議になってしまった(^^ゞ
すると、先ほど見せてもらった岡山産の天然鰻を白焼にしてくれるという。
その前に口の中をリセットするためにだしてくれたのは北海道・厚岸産の「生牡蠣」
「カキえもん」というブランド牡蠣だそうだ。
旨味とコクがあり、牡蠣は「海のミルク」というが濃厚ミルクであった(≧▽≦)
岡山・児島湾の天然鰻の「白焼」
先ほどの塩談義を踏まえて、後から塩、山葵をつけるように盛り付けてくれた。
何もつけずに食べても複雑な旨味を感じる。
泰正オーガニック鰻を育てている養鰻家・横山さんの話によれば、出荷前の寒暖の差で養鰻池の温度管理にとても苦労したそうだ。
しかし、天然鰻は自然の中で育っているのだから温度管理などできる訳がない。
餌も養鰻家がこだわって与える飼料と自然の中で捕食する違いがある。
美味い、不味いを越えた違いがあるのは当然なのだろう。
敢えて、他に例えを求めるならば、温泉の泉質かもしれない。
無色透明の単純泉と硫黄分を豊富に含んだ泉質の違いのような気がする。
島崎さんの料理やトークを楽しんでいるうちに2時間以上の時が経っていた。
さあ、〆の鰻重の時間が来た。
養鰻家、料理人の愛情が感じられる逸品は、正にご馳走といえるだろう!
感謝して、いただく。
本当においしゅうございました。
2016年11月『うなぎ屋酒坊・画荘 越後屋』は創業10周年を迎えるそうだ。
10年間、ひたむきに取り組みことは並大抵のことではない。
心からお祝い申し上げます。
10周年おめでとうございます\(^o^)/
『うなぎ屋酒坊・画荘 越後屋』は、10月末現在の食べログ・埼玉レストランランキングのNo.1である。
たくさんのお客様を楽しませた結果だと思う。
これからも『うなぎ屋酒坊・画荘 越後屋』を訪れる多くのお客様を楽しませて続けていかれることを祈念致します。
そして、ときどき伺うマニアックなうなぎ好きもよろしくお願い致しますm(__)m