浦和 食と燗 くら川 ~泰正オーガニック鰻と凄腕料理にくらっ~

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泰正養鰻の横山桂一さんから八重洲『はし本』さん、所沢小手指『うなぎ屋酒坊・画荘 越後屋』さんに加えて
日本橋小網町『うなぎ喜代川』さん、浦和『食と燗 くら川』さんにも泰正オーガニック鰻の出荷を始めたと連絡があった。

前回の出荷の際は、喜代川さんはタイミングが合わず、くら川さんは入荷分は予約で埋まっているとのことで断念した。

今回はくら川さんへ問い合わせると幸いにも予約可能というので
大鰻友の【うなぎのぼりブログ】の管理人・ゆぽんたさんをお誘いして、クリスマスにうなぎと洒落込むことにした。

浦和駅西口を出て、浦和駅前交番の先の小路を左へ入る。
店頭の杉玉を見過ごしてしまうとお店に気がつかないような、正に隠れ家的な店である。

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店内は、一枚板のカウンターのみで和風のBarを思わせる大人が食と酒を楽しむ空間が演出されている。

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ゆぽんたさんから少し遅れるとの連絡が入ったので、お先に赤星をいただきながら待つこととする。

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ビールグラスを持つと八重洲『はし本』さんでも使用している湯島『木村硝子店』の極うすグラスではないか。

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店主の蔵川雄貴さんによれば、木村硝子さんの紹介でいらした八重洲『はし本』の橋本正平さんが泰正養鰻の横山さんを紹介したという繋がりだそうだ。
共通の知り合いがいれると近親感が増すというもの。蔵川さんと話も弾む。

ゆぽんたさんが到着して、本格的に食と燗の宴が始まる。

まず、最初の酒は鳥取「諏訪酒造」〈冨田 山田錦 精米七割生原酒〉

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粋な盃に注いでグイッと
日本酒は冷や専門だった自分が燗酒も美味いと感じた瞬間。

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始めの料理は〈京人参と苺の和え物〉
蔵川さんがいうには、同じ色目の食材は相性が良いのだとか。
赤い京人参と赤い苺を寝かせた赤酢で和えているが、蔵川さんの言葉通りで一発目から“くらっ”とする。

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料理と燗酒を楽しんでいると、蔵川さんは本日の主役である鰻を焼くための炭を熾し始める。
素人目にも良い炭だということがわかる。

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次も山陰の蔵元から島根『玉櫻酒造』〈玉櫻 生もと純米 山田錦70〉
丸みのあるふくよか旨味を感じる。

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続いての料理は〈発酵白菜と蕪の玉〆〉
蕪の甘みと白菜の酸だけで味をまとめいるそうだ。
白菜は茨城産。蕪は蔵川さん自ら千葉・八街へ出向き仕入れたという。
自分の出身地の隣町なので親しみを覚える。

子供ころから糠漬けなどで発酵させた白菜を食べ慣れているためか、懐かしさを感じる。
そこに蕪の甘さに熟成させた鰆でとった出汁と玉子が加わることで洗練した味へと昇華する。
余分なもの入れず、最低限必要なものだけを足す料理の奥深さに“くらっ”とする。

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蔵川さんにどちらで料理の修業をしたか、を尋ねると全くの独学だという答えが返ってきた。
これまた“くらっ”とする。
なるべく余分な調味料を使わずに素材本来の旨味を熟成や発酵で引き出すのがこだわりのようだ。

お目当ての泰正オーガニック鰻に鉄串が刺されて

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炭火の上にのる。
鰻の身が膨らむと同様に自分の胸も膨らんでくる。

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山陰の酒が続いた次は地元・埼玉から。
さいたま市のお隣・蓮田『神亀酒造』〈神亀 手造り 純米酒〉
埼玉や東京北部の鰻店では定番の日本酒である。
冷酒だと少し癖のあるコクを感じる酒だが、燗をすると円やかに感じるから不思議だ。
燗酒の魅力にはまりそうである。

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神亀に合わせるのは〈自家製珍味盛り〉
〈イカの塩辛〉〈鯨ベーコン〉〈あん肝ペースト〉〈鮭とハラコの麹漬け〉

美味しいつまみに美味しい酒、言葉はいらない。

鯨ベーコンだけひとこと。
自分たちのように鯨を食べて育った世代はわかると思うが、鯨の味を知らない人に聞けば、鯨とはわからないかもしれない。とにかく美味い。

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そろそろ泰正オーガニック鰻は皮目が綺麗に焼かれてもうすぐ仕上がり。

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焼き上がった鰻に包丁が入る。
その時の“サクッ”という音が堪らない。

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さあ、泰正オーガニック鰻の〈白焼〉が登場。

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ひとことで表せば、パリプリの白焼。
鰻の旨味がギュギュっと詰まっている。
良質の鰻にそれを引き出す技を鰻喫する。

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微かに清流で育った鮎の香りがする。
『くら川』では、泰正オーガニック鰻を使う前は天然鰻を使っていたという。
このレヴェルならば、天然物と遜色がないだろう。

ミシュランガイド星付きの日本料理店では、太物の天然鰻を使用していると聞く。
資源問題で天然鰻は規制がさらに強まるだろう。
その時、共水うなぎや泰正オーガニック鰻のような良質の鰻を育てる生産者の需要がさらに高まることは想像に難くない。農家や畜産家が前面に出て、安心安全で美味しい食材を訴えるように養鰻家も前面に出てほしいと願う。

鳥取『山根酒造場』〈日置桜 純米吟醸 伝承強力〉

旨味があるのにキレがある飲み口。
ゆぽんたさんは「地焼きの白焼には、西の酒があいますなぁ」とご鰻悦の様子。
おっしゃる通りだ。

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〈お造り盛り合わせ〉鰆、鬼カサゴ、鯛

鰆は1ヶ月、鯛は11日熟成させているという。
ほんの少しの塩をつけていただくと旨味、甘味が堪能できた。

新鮮な鬼カサゴのコリコリとした食感との対比が面白いお造りの盛り合わせ。

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〈香箱蟹〉
内子と外子も合わせてあり、美味しすぎて笑顔満蟹。

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奈良『久保本家酒造』〈生酛のどぶ 生原酒〉

旨味がしっかりあるのにスッキリとしている。
燗酒の醍醐味を少し知ったような気がする。

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すっかり美味しい料理を堪能し、燗酒に魅了されたひと時を過ごさせていただいた。

隣の席にはご夫妻で楽しまれている方がいらした。
奥様に声をかけていただく。

お話していると奥様は何と、高校の後輩で、しかも奥様の父上は高校ラグビー部の先輩とだという。

泰正オーガニック鰻を追いかけてやってきたが、ご縁の不思議さに驚いてしまう。

もっとも『くら川』さんとのご縁も木村硝子さんが鰻専門店である橋本さんを紹介していなければ始まっていないのだ。鰻の紡いた全てのご縁に感謝する。

当の鰻は「つかみどころなく、不思議な生き物さ」と言っているに違いない。

 

ご一緒した ゆぽんたさん の【うなぎのぼりブログ】
「食と燗 くら川~噂のオーガニック鰻をいただく」

 

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