毎年、本業の仕事納めの夜は1年間の無事に仕事が出来た感謝と自分への慰労を兼ねて大好きな鰻をいただくことにしている。名付けて【うなぎ大好き的うなぎ納め】である。
今年は、カミさんが〈うなさし〉が食べたい、とのリクエストで『うなぎ創作 鰻樹 -manju-』でうなぎ納めをさせていただいた。
年末年始期間限定で『樽酒 黒松剣菱』の提供があるという。
最初の一杯はこれで決まり。
〈剣菱〉の由来は、永正2年以前(約五百年前)創業者稲寺屋伝によるとその酒標は、天地陰陽夫婦和合の象にて生々たるその瑞気を感じ精気の回天を為すと言う。
酒の由来も夫婦でのうなぎ納めぴったりだ。
カミさんがリクエストした〈うなさし〉が到着。
〈うなさし〉を提供する店は全国でも限れれた数店のみ。
それを近場で食せるとは何と幸せなことか。
〈うなさし〉を作る時に鰻の皮をひく。
ひいた皮を串に巻いて焼いたものが〈うなぎの皮焼き串〉
〈うなさし〉よりもレアな逸品である。
外はパリッパリッに焼かれ、中は鰻のコラーゲンがたっぷりなのだ。
あっという間に升酒がなくなってしまったので〈天狗舞・山廃仕込純米酒〉をお願いする。
〈うなぎのオイル煮〉
ハーブの香りと赤唐辛子・黒胡椒の辛みが絶妙。
洋の東西の魅力を併せ持っているので、日本酒にもワインにも合う。
鰻樹では、仕入れた活鰻の肝だけを使う。
なので肝吸い付きのメニューが多いと肝は余らない。
今日は肝焼きが出来るという幸運に恵まれた。
肝焼きにあわせて〈越乃景虎〉を燗酒で追加。
1本は〈肝焼き・タレ〉で
1本は〈肝焼き・塩〉でいただく。
どちらも新鮮な肝 特有のプリプリ感。
他店でも滅多にお目にかかれない塩の肝焼きには嵌ってしまった。
鰻の塩焼きに覚醒してしまったので〈ガマの穂焼き〉をオーダー。
鰻を骨ごとぶつ切りにして焼く訳だが、正にシンプルイズベスト。
酒がまだあるので〈うなぎのたたき〉と
期間限定の〈うなぎのユッケジャン〉を頼む。
熱くて辛いだけでなく、いろいろな野菜の旨味も出ているコクのあるスープ。
それに負けない鰻の旨味が特出している。
寒い時期にはもちろん良いが、夏のスタミナをつけるのにも良いと感じた。
2016年の〆は別名・紅白重ともいわれ縁起の良い〈白蒲重〉にする。
白焼も蒲焼も鰻喫した。
これで気持ち良く年を越せる。
2016年は【うなぎ屋さんレポート】をのべ80軒書かせてもらった。
レポートしていないものを含めると100軒近い鰻専門店で鰻をいただいたことになる。
そして、鰻を通じて多くの良いご縁をいただいた。
生産者、問屋さん、職人さんに鰻関係の友人などなど全ての方々と鰻をはじめとする食材に感謝して大鰻足の1年を締めくくりたい。
ありがと“う”ございました。