うなぎ屋酒坊・画荘 越後屋 ~もてなしの形~

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このようなサイトをしていると
「何処のうなぎ屋さんが美味しいですか?」という質問をよくいただく。

しかし、この質問に答えるのは非常に難しい。
私が美味しいと感じるものが、質問をした方が同じように美味しいと感じるとは限らないからである。
質問した方がガッカリしないようにその方の好みを踏まえて、ここならお気に召すかな、というお店を紹介することになる。
それでもガッカリさせてしまうこともあるので、とても悩ましい。

お気に入りの店に連れて行ってほしいというご要望があり、お連れすることになった。

老舗らしい老舗か、鰻を裂くところからのパフォーマンスが見られるお店とどちらが良いか、お聞きすると後者とおっしゃるので所沢・小手指『うなぎ酒坊・画荘 越後屋』さんへお連れすることにした。

カウンター席を予めお願いしておいたので、お連れした方が鰻を裂く様子が見られる席へ案内する。

まず、〈鰻の骨せんべいとミックスナッツ〉に〈鰻煮凝り〉から

続いて〈鰻の白ばらサラダ〉と〈お造りの盛り合わせ〉

店主の島崎さんが、立て場の桶から活鰻を掴んで、まな板の上へ乗せる。

この日、用意してくださったのは『筑紫金うなぎ』、鹿児島・薩摩川内市『五光』、『泰正オーガニック鰻』の3種類の活鰻。

それぞれの特徴を説明しながら見事に裂いていく。
そして、串打ち。

串打ち三年、裂き八年といわれる技を間近で見れれる。
見せることは、魅せられるに繋がる。

今、裂いたばかりのヒレと肝が串焼きになって登場。

〈白焼〉も綺麗に盛り付けられて魅せられる。

添えられているのは〈鰻かぶとの焦し焼〉
鰻かぶとを炭化寸前まで焼き、骨まで食べられるマニアックな常連の裏メニューである。

〆は〈うな重〉だが、関西風地焼きと蒸しの入った関東風を両方味わえる〈東西重〉


関東風はオーソドックスに関西風地焼きは焦し焼きにしてもらう。
自分はその店の味を楽しむのが基本だが、島崎さんのように客の好みを忖度してくれるのも有難く嬉しいものだ。

皮目にもしっかり焼きが入り、苦味が出ずに旨味を引き出す焼きの技法。

デザートに鰻だけでは補えないビタミンCたっぷりの苺をいただいて、今日も鰻喫させていただいた。

お連れした方にも「料理が出来上がるまでの時間を素敵に演出してくれた」というお言葉をいただいた。
鰻足していただけたようでこちらも嬉しい。

カウンターには【THE TABELOG AWARD 2017】BRONZE の盾が飾ってある。

越後屋の料理は、奇をてらったものでなない。
店主自身が納得のいく素材を使う。
調理の過程を見せる。
盛り付けを華やかにする。
客とのコミュニケーションを大切にする。

老舗の礼を尽くしたもてなしとはひと味違ったもてなしの形がある。

うなぎ大好きAWARDなるものがあれば、GOLDを贈りたい店のひとつである。

 

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