うな豊さんでの楽しかった【うなぎ愛好会の集い】から一夜明け、この日の午後は名古屋在住の敬愛する友人が2軒のうなぎ屋さんを案内してくれることになった。
お誘いいただいた当初は何だか申し訳ないと辞退しようと思ったが、カミさんが「あなたが逆の立場だったら案内して差し上げたいでしょう?感謝してお言葉に甘えてみては?」と言うので有難く案内していただくことにした。
まず、案内していただいたのは、今回の東海地方・うなぎ行脚の旅の通算3軒目となる名東区上社にある『うな昇』さん。
“昇”の文字からもわかるように初代は〈ひつまぶし〉発祥の店のひとつといわれている『錦三丁目 いば昇』で10年間の修業の後に1980年『うな昇』を創業された。
今年で創業38年を数え、地元の方々に愛され続けているのである。
店内へ入り、テーブル席へ案内される途中の壁に掛かっていた”開運”と書かれた書。
どうしても“うな丼”に見えてしまう。やはり鰻病だろうか。
テーブル席について、メニューを拝見することもなく〈うな丼〉で頭がいっぱいなのだ。
友人も私に付き合ってくれたのか、2人で吸物付きの〈上うなぎ丼〉をお願いしていた。
さあ〈上うなぎ丼〉の登場。
蓋付きの器は開ける前からワクワクする。
良い焼き色が食欲をそそる。
鰻の脂とタレが良い具合に引き立てあっている。
そして、皮目はパリッと焼かれている。
食べ進むとご飯の中にもウナギ様がいらっしゃる。
温かいご飯で蒸されたウナギ様は、香ばしさを残しつつとろけるウナギ様に変身している。
地焼き鰻の中入れ丼は、二つの味わいが楽しめて一丼で二度美味しい。
パリふわジューシーなウナギ様ととろけるウナギ様を鰻喫した後は〈わらび餅〉をいただいて口福の時間。
お会計を済ませて、二代目の竹川典孝さんとしばしお話させていただく。
竹川さんは、京都の名店『田ごと』さんで修業されて『うな昇』さんに戻られたそうだ。
お店に“はんなり感”が漂うのはそのためかもしれない。
真面目で優しい人柄が鰻によく出ていると感じた。
「料理は人を現す」
焼き方は違っても全国共通なのだと思う。
竹川さんの鰻愛ごと、いただきました。美味しかったぁ。