伊勢のうなぎ屋さんでは、タレで混ぜ合わせたご飯の上に蒲焼をのせた〈伊勢まぶし〉があるらしい。
以前、伊勢へ来たときは鰻嫌いな友人と一緒だったので食べ損ねてしまった。
子供の頃は、うなダレご飯だけをお代りしたいくらいだった。
鰻の旨みが染みたご飯を追いダレをせずに満遍なく混ぜるということにこだわった、当時から変わった子供。
それを最初から混ぜてくれているというのだからこんなに有難いことはない。
増殖研究所 南勢庁舎の見学をして伊勢市内に戻るのが15時過ぎになる。
伊勢市内のうなぎ屋さんは火曜日休みが多いのだが、『う料理屋 喜多や』さんは火曜営業の上、11時から19時まで通しで営業している。
店内へ入るとまず目につくのがタイガースのユニホーム。
『喜多や』さんは、戦前、大阪タイガース(阪神タイガースの前身)で活躍された西村幸生さんのご実家だそうだ。
現店主は、西村幸生さんの甥にあたるという。
次に目を引くのが【鰻のぼり石】
鰻の模様が浮き出ているなで石である。
鰻のぼり石を撫で、お賽銭を入れて、お札をいただく。
鰻願成就の運をいただけただろうか。
[wc_row]
[wc_column size=”one-half” position=”first”]
[/wc_column]
[wc_column size=”one-half” position=”last”]
[/wc_column]
[/wc_row]
メニューを拝見して、さあ、お願いしましょう。
19時ごろに夕飯を予約しているので控えめに〈うなぎ丼・中〉をお願いした。
それでも結構なボリュームがある。
ご飯はタレで丁寧にまぶしてある。
地焼きのようだが、蒲焼がとても柔らかい。
お聞きすると白焼した鰻を「うなぎ箱」に入れて焼き立ての鰻の熱で蒸すのだそうだ。
しかも、箸で一尾、一尾、丁寧に炭火で焼くのだそうだ。
テーブルには「孝行鰻」の説明文が置いてある。
伊勢神宮のお膝元、江戸の昔からの伝統を守り続ける老舗の味と雰囲気を鰻喫させていただいた。