2024年10月20日は、秋の土用の入りです。
2024年の秋の「土用」は、10月20日(日)から11月6日(木)の18日間です。
土用とは
土用は中国の陰陽五行思想に基づいており、自然界は木・火・土・金・水の5つの要素から成り立っていると考えられています。季節もこの5つの要素に当てはめられ、春は木、夏は火、秋は金、冬は水としました。欠けている土を季節の変わり目である立春、立夏、立秋、立冬の前18日間に割り当てられました。この時季は土の気が盛んになるとされ、土旺用事と呼ばれ、それが土用となりました。
土用といえばすぐ思い浮かぶのは、丑の日にうなぎを食べるのが風物詩となっている夏の土用 ですが、夏以外にも各季節にあります。土用は、次の季節に移る前の調整の期間と考えることができます。
脾は土用によく働く
東洋医学の考えには、春には「肝」、夏には「心」、秋には「肺」、冬には「腎」、そして土用には「脾」といった、それぞれの季節に中心となって働きながらも、その季節に最も影響を受けやすい「臓器」があるという概念が存在しています。この時期は脾が働き五臓を養うので、脾の働きが悪いと臓全体が弱ってきます。
東洋医学の「脾」とは西洋医学の「脾臓」という臓器の機能をさすだけでなく、消化器全般を指し、消化吸収や栄養の輸送、呼吸や免疫などに関わる働きを担っています。
ですから東洋医学では、土用の時期は胃腸の調子を整え、季節の旬のものを食べることで体調を崩さず過ごすことができると言われています。
夏の土用の丑の日には、夏の暑さで疲れた身体の健康維持や食欲増進のために、“う”のつく食べ物や黒いものを食べるのが良いとされています。その代表格が、うなぎです。
夏の土用の丑の日とうなぎの考察は、私の著書『読めばもっとおいしくなるうなぎ大全』第2章うなぎざっくり四百年史 05土用の丑の日といえばうなぎ に書いています。まだ、お読みでない方は、是非お読みくだされば嬉しいです。
今は、夏だけでなく、春、秋、冬の「土用の丑の日」には、うなぎを食べる方が増えてきました。
うなぎ大好きドットコム制作のうなぎ屋さんカレンダーにも四季のそれぞれの丑の日を掲載しています。
ご覧のように2024年の秋の土用の丑の日は10月28日(月)です。
秋は「土用の辰の日」
前項で夏の土用は「丑の日に”う”のつく食べ物や黒いものを食べるのが良い」と書きましたが、実は季節ごとに日の干支が決まっていて、食べると良いものも決まりがあります。
季節ごとの土用に食べると良いもの
- 春の土用 戌の日に“い”のつく食べ物や白いもの
- 夏の土用 丑の日に”う”のつく食べ物や黒いもの
- 秋の土用 辰の日に“た”のつく食べ物や青いもの
- 冬の土用 未の日に“ひ”のつく食べ物や赤いもの
「えっ、秋の土用にはうなぎは食べちゃいけないの?」
いいえ、そんなことはありません!
秋のうなぎは、天然うなぎはもちろん、養殖うなぎも旨みが増し脂乗りも良くなる季節です。
今年は特に夏の暑さが厳しく、昨日も関東以西では夏日を観測したところが多くあります。
夏のあいだに、かなり無理をした人や、冷たい物をたくさんとって冷やし過ぎたり、冷房の効いた涼しい環境にいた人の健康維持には、うなぎはもってこいの食べ物です。チャンスがあれば、是非食べてください。
土用の辰の日には、“た”のつく食べ物が良いとされています。
うなぎとよく合う“た”のつく食べ物といえばたまごです!
2024年の秋の土用の辰の日・10月31日には、うなぎ屋さんでうまきも頼みましょう!
滋賀県大津市の逢坂山かねよには、蒲焼の上に分厚い卵焼きがのったきんし丼があります。
土用は季節の変わり目で、体調を崩しやすいじきです。
うなぎで健康増進、運気うなぎ昇りとまいりましょう!