「鰻 十和田」の確かなビジョンを持ったお店づくりを「うなぎ大好き・番外編」-うなぎ屋さん移転顛末記-でレポートしました.
その中でも紹介しましたように社長の星野吉昭さんがうなぎ屋さんを続けられると思ったのは「浜名湖うなぎ漁業生産組合」というお互いに切磋琢磨できる生産者の方々との出会いだそうです。
安定した良質の鰻が仕入れられることはお客様の満足度を不安定にさせない重要なファクターです。ですから鰻 十和田の主力はもちろん「浜名湖うなぎ漁業生産組合」の鰻です。しかし、老舗のうなぎ屋としては天然鰻も扱い、「天然鰻を食べたい。」というお客様の要望にも応えたいそうです。そこで養魚場の方に浜名湖の腕の良い漁師さんを紹介して頂き、良質の天然物が獲れたときだけわけてもらっているそうです。
今年は10月までは不安定だった天然鰻の仕入れが11月に入ってコンスタントに仕入れられるようになり
「浜名湖産の天然鰻を食べに来ませんか?」
と星野社長にお誘いを受けたので、お邪魔してきました。
お通しの湯葉豆腐から始まるうなぎづくしのコースを頂きました。
う巻きはほんのり甘いタイプの玉子焼きです。驚くことに中の鰻の甘さが活きています。正に良質の鰻といわざるを得ません。うざくのお酢もきつさが全くなく、鰻の旨みを引き立てています。唯一の心配は化学調味料慣れしたお客様にこの微妙な味のハーモニーがお解かり頂けるかどうかだけです。
鰻 十和田では天然鰻を注文された方へのサービスで割きたての天然鰻の心臓をお出ししているそうです。好き嫌いは分かれるかもしれませんが、何でも鰻漁師さんは精がつくと好んでいるそうです。まだ微かに動いている心臓をお酒に入れて噛まずにゴクリ。
次は浜名湖うなぎ漁業生産組合さん自信の新子うなぎの白焼きの登場です。星野社長曰く、「今年の新子は味が来てますよ。」 はい、おっしゃるとおりです。通常は山葵醤油で頂くのですが、 何もつけずに頂くかほんの僅かに塩をつけて頂いた方が鰻の甘み、旨みが引き立ちます。
〆は、浜名湖産天然鰻のうな重です。美味しい鰻の後ではずれの天然物だときついと内心思いましたが、さすがは信頼のおける漁師さんです。ふぐでは遠江の別名で身と皮の間の美味しいと言われていますが、正に遠江産の鰻もみかわのとなりは格別の旨さでした。
丹精込めた養殖鰻は”人の恵み”に感謝!天然鰻は正に”天の恵み”に感謝!です