大江戸に初めて行くのは土曜日と何となく心に決めていた。何故なら”いかだ”が土曜日の御奉仕として頂けるからです。いかだとは1尾のうなぎを2つに切らずに焼き、何尾か並べると筏のように見えることからその名がついたといいます。そのヴォリューム満点のいかだを大江戸では土曜日に限って2本いかだ2835円、4200円、3本いかだ5250円、6825円で堪能できます。土曜日はさらにいかだではヴォリュームがあり過ぎる方には肝吸い付きのうな重が2100円で楽しめるのです。
暖簾をくぐり右手がテーブル席です。小さく仕切られテーブルごとに暖簾がかかっていて半個室のような造りは今はやりの和風ダイニングの遥かさきがけといってもよいでしょう。
また、東京のど真ん中で立て場を持っているということは特筆に価するでしょう。立て場とは鰻などの川魚を調理寸前まで活かしておく為の常に清水が流れ込む専用の水槽のことです。立て場に使用する水は水質の良い井戸水が不可欠です。水量豊富な良質の井戸があることが都内では珍しく、老舗の強みでしょう。
注文してから10分ほどで待望の”いかだ”とご対面です。蒸しが効いたふんわりとろける口当たりは江戸前の王道です。同じ下町でも浅草の老舗よりは幾分甘めのタレですが、後味がすっきりしています。
大江戸をご贔屓にしている岸朝子さんに敬意を表して「おいしゅうございました。」