愛知県、岐阜県には『なまずや』という屋号の鰻専門店が何店もある。
ネットで調べると、その名の通りなまず料理店がその始まりのようだ。
その昔、中山道沿いの御茶屋「なまずの蒲焼き」を供していたのが発祥とされています。
その後、岐阜に移り「うなぎの蒲焼き」を始めたところ、それが評判になり「なまずや」という名の「うなぎや」になったということです。
さらに時を刻み昭和二六年、ここ尾張名古屋の地に『名古屋なまずや』として営みを創めました。名古屋なまずやホームページ「屋号の由来」から引用
『なまずや』の屋号の後に〇〇支店、〇〇分店と名乗っている店がある。
支店と名乗る店は総本店からの暖簾分けで、分店を名乗る店は支店からの暖簾分けだとお聞きした。
今回、お邪魔した『なまずや各務原分店』さんは、『なまずや織田塚支店』さんからの暖簾分けで創業39年、現在の店舗に移って17年の歴史を刻んでいるそうだ。
「名古屋から『なまずや各務原分店』さんへ鉄道で行くには岐阜か犬山経由でJRもしくは名鉄を利用して1時間ちょっとかかる。車ならば、40分ちょっとで行けるから。」
と名古屋在住の友人が言ってくれるので、友人の車に乗せてもらい、各務原へ向かった。
18時過ぎに店に着くと駐車場はあらかた埋まっており、夕飯時の賑わいを見せていた。
設えに風情がある玄関口を抜けて店内へ。
奥のテーブル席へ通じる通路の壁には素敵な陶器が飾ってある。
間仕切りがしてある半個室のようなテーブル席。とこどころに花が活けてあり落ち着く空間を演出している。
友人の頼んだ〈うな丼(特)〉は、特というだけあり、ウナギ様たっぷりいらっしゃる。
私は、〈鯉のさしみ〉付に惹かれて〈うな丼定食(上)〉
上でも十分なウナギ様の量がある。
「旨いぞ!」とウナギ様が訴えているような気がする。
『なまずや各務原分店』さんでは九州産の鰻にこだわっているという。
この時期の国産鰻はヒネ仔で旨味は多いが皮は硬くなってしまうのが難点だ。
皮目を見ると隠し包丁を入れて、難題をクリアしている。
お客様が美味しく食べられるようにとの求める心と技、しっかり受け止めさせていただきました。
〈鯉のさしみ〉は独特のコリコリ感が美味。
赤味噌を使った酢味噌ははじめていただいたが、これも鯉の風味を引き立て美味い。
口直しの〈茶碗蒸し〉を持って、『なまずや各務原分店』二代目の西脇 潤さんがわざわざ席まで来てくださった。
西脇さんとお話しているとやはり探求心旺盛で優しい人柄が料理に出ていると感じた。
この日、伺った『うな昇』の竹川さんも『なまずや各務原分店』の西脇さんも友人が東海地方では気鋭の若手職人と認めていると肌で感じた。
友人によれば、他にもたくさん紹介したい職人さんがいるということだ。
また、こちらへ来る楽しみが出来た。
案内をしてくださった友人に心からお礼を言ってこの項を閉じたい。