「安斎」は、予約制とはこうあるべきかと思わせるお店です。予約の電話のときに「時間に遅れないで下さい。」と念を押されるが、予約時間に合わせてきちっとした仕事をしているからである。
予約時間の数分前に到着すると、テーブルには箸と白焼きで使うであろうむら猪口がセットしてあり我々を待っていた。飲み物を聞かれ、ビールをお願いすると「エビスビール」の小瓶とお通しの漬物と生ハム盛り合わせが到着。漬物は自家製かどうかは不明であるが、どれも美味しかった。
電話でおつまみはないのですか?と聞いたからだろうか、鰻の尾の塩焼を用意してくれた。何でも鰻35匹分を使ってあるそうだ。脂が乗っていて香ばしく今まで食べたことのない味わいで付け合わせの小女子の佃煮の甘さとのコントラストが絶妙であった。
つまみを8割方食べたタイミングで白焼きが出来上がる。余分な脂を丁寧に落とし、旨みだけを残したふわふわの白焼きは数ある名店に1歩も引けをとらない。
やはり、白焼きを8割がた食べたタイミングでご主人が丼のご飯を盛っている。さあ、真打ちのうな丼と肝吸いの登場である。 この日の肝吸いの具は肝と南瓜と大葉であったが、香り、味ともに抜群でした。
蓋を開けた瞬間、美しいと感じざるを得ないビジュアル的にも素晴らしいうな丼である。写真で上手く伝えられないのはとても歯がゆいです。 もちろん、味の方も 白焼きと同じように余分な脂を丁寧に落とし、旨みだけを残したふわふわな鰻であるが、さらに甘みを抑えたスッキリとした味わいのタレが品よく絡みご飯と三身一体のハーモニーを奏でている。目、鼻、舌、いずれでも楽しめ、満足しました。