名古屋鰻三昧4軒目は当初の予定を変更して、あつた蓬莱軒本店にやって来ました。
店の前に着き、受付の男性に名前を告げると「20分後にお戻りください。」と言われました。わずか20分なので店の近くで待つことにします。その間にお客さんがどんどん増えてきます。それにともなって受付の男性から言われる戻る時間が次第に延びていきます。
実は今年の1月もあつた蓬莱軒本店に来るには来たのです。その日は夕方から名古屋で用事があったので、早めに東京を立ち、お昼は「ひつまぶし」でも食べようと思っていました。店に着いたのは、ちょうど開店時間で、大勢のお客さんがぞろぞろと店内へ入っていくところでした。受付の男性に待ち時間を聞くと入店まで3時間から3時間半待ちでさらに料理が出るまでに時間を要するとのことでした。近くの『あつた蓬莱軒神宮店』へも行きましたが同じような待ち時間でした。食べ終わる頃には肝心の約束の時間を過ぎてしまうので諦めたのです。
そのことを受付の男性に伝えると正月は熱田神宮の初詣の方がみえるのでとても混むそうです。
普段の土日も開店1時間前に受付を始めるそうですが、その時点で100名近く待っているそうです。受付を済ませて何時に戻ってくださいと言われた時間以降ならば、何時に戻ると伝えればその時間近くに案内してくれるとのことでした。
受付から25分ほどで下足札をもらい、入店しました。玄関を上がり、さらに少し待って席に案内されました。
案内されたのは1階左奥の畳敷きの部屋の2掛けテーブル席です。
今日は昼に3軒もはしごをしてしまったので蓬莱軒名物の「ひつまぶし」を1人前食べる自信がありません。そこで女性におすすめといううまきと小ひつまぶしがセットになった「うまき定食」にします。夕食なのでビールと肝焼きもお願いしました。
ビールの中瓶はプレモルでした。1杯目は女性の店員さんが注いでくれてニッコリです。
頼んだ後で新メニューの肝のから揚げを発見したのです早まった?!と思いましたが、肝焼きもかなりイケます。
外はカリッと焼かれているのに中はレバーペーストのようです。タレもしつこくなく肝の美味しさを引き立てています。
うまき定食というだけあって、うまきがメインのような印象です。塗りの器にうまきがしっかり1人前です。
フワフワのうまきは甘めのつゆに半分ほど浸っています。こちらのうまきはとても美味しいと感じました。鰻がたくさん入っていますし、玉子焼きの食感が私の口にとてもあいました。
ひつまぶしは、ミニなので小さめの丼です。鰻は美味しいのですが、ややカリカリ感がもの足りなく感じました。また、ミニひつまぶしの難点は取り分けのお茶碗がないので4杯目は一番好きな食べ方で〆ることが出来ないことですね。
お吸物は、蓬の字のお麩が入っていて見た目は綺麗ですし、味も良い出汁をひいていて美味です。
お漬け物は、奈良漬けもあり、塩加減が私好みでした。
蓬莱軒のウリはもちろん登録商標にもなっているひつまぶしでしょうし、多くのお客さんも蓬莱軒のひつまぶしを求めて全国からいらっしゃると思います。私もそんな一人です。今では名古屋だけではなく東京でも蓬莱軒に追いつけ、追い越せとばかりに美味しいひつまぶし風の鰻料理を出すお店が増えました。しかし、蓬莱軒は伝統の味を変える訳にはいきませんよね。
今日、実際に蓬莱軒のお料理をいただいて感じたことは、ひつまぶしは伝統を守りながら他のお料理の質を上げることで他店との差別化を図り、リピーターを満足させているのでは?と感じました。
私は、うまきと肝焼きがとても美味しかったので、次回は時間とお金を作って蓬莱軒の会席料理を食べてみたいと思ったからです。